結論を先に置きます
「10万円以下で買える、注目のバイオ株」。
『今買えばいい注目株.com』が、2026年8月19日にこの記事を公開しました。
取り上げられたのは、シンバイオ製薬(4582)とメディネット(2370)の2銘柄です。
まず、結論から書きます。
この記事を、悪質な情報発信だと断定できる材料はありません。
株価や時価総額といった数字自体は、確認できる範囲でおおむね正確です。
ですが、情報の鮮度や決算期に事実誤認があります。
鵜呑みにして、そのままLINE登録するのはおすすめしません。
理由は3つあります。
① 数字自体は、大きく外れていません。
株価・時価総額など、確認できる範囲の数値はおおむね一致しています。
ここは、率直に評価できる点です。
② メディネットに存在しない決算期への言及があります。
記事は「2023年12月期の連結業績は」という一文を使っています。
ですが、メディネットの本決算は9月期で、12月期という決算そのものが存在しません。
メディネットの決算情報で確認できます。
③ この記事は、シンバイオ製薬について古いデータを新しい情報のように使っています。
記事が使っているのは、2023年12月期の数字です。
直近の決算では、赤字がさらに拡大しています。
シンバイオ製薬の決算推移を確認すると、
純損失は19.6億円から47.8億円へ拡大しています。
数字は合っているのに、決算期を取り違える。
この噛み合わなさが、私は気になります。
少なくとも、この記事の情報だけで動くのはおすすめしません。
まずは3つに分けて見る
ここからは、記事の中身を3つの切り口に分けて見ていきます。
感情的に判断せず、確認できることとできないことを分けて並べます。
まず、全体像を一覧で確認してください。
表は左右にスクロールできます
| 切り口 | gori-gori.comが伝えていること | 冷静に見た注意点 |
|---|
| ①数字の正確性 | 株価・時価総額・PBRなどの数値を具体的に明記 | 数値自体はYahoo!ファイナンス等の公開値とほぼ一致(この点は評価できる) |
| ②決算情報の正確性・鮮度 | 「2023年12月期の連結業績は」など、具体的な決算期を挙げて業績を解説 | メディネットに「12月期」決算は存在しません(実際は9月期)。シンバイオ製薬のデータも2年半前のもので、直近はむしろ赤字が拡大 |
| ③勧誘導線・運営者 | 「相場先読み情報」を無料LINE登録で受け取れると案内 | 運営者「佐藤真理子」氏の実在・所在地・登録状況は確認できず、登録後に届く情報の中身も不明 |
“引用
2023年12月期の連結業績は売上高が前期比で減少し、営業損失及び純損失を計上
出典gori-gori.com『今買えばいい注目株』(2026年8月19日公開、メディネットについての記述)
注意
分析マン的メモ:メディネットに『12月期』は存在しない
メディネットの本決算は、9月期です。
irbankの決算データでも、同社の決算期は「9月期」と確認できます。
記事がなぜ「12月期」と書いたのかはわかりません。
ですが、読む側が決算期の食い違いに気づけると安心です。 『今買えばいい注目株.com』を、悪質な情報発信だと決めつけるものではありません。
運営者とされる佐藤真理子さんについても、同じです。
この記事にあるのは、事実誤認と、情報の鮮度の問題です。
やりたいのは、広告的な触れ込みと、公的資料で裏が取れる事実を分けて並べること。
それだけです。
表にすると、余計にはっきりします。
数字は合っているのに、決算期だけ食い違う。
運営者も実在が確認できない以上、私は登録を急ぎません。
①「数字」を検証する
記事には、株価・時価総額・PBRといった具体的な数字がいくつも並んでいます。
まず、この数字が正確かどうかを確認しました。
シンバイオ製薬(4582)について、
記事にはこう書かれています。
株価69円・1単元購入代金6,900円・PER算出不可・PBR不明・
配当利回り0%・時価総額5,274百万円・自己資本比率23.9%。
画像:gori-gori.com記事内のシンバイオ製薬データ表よりこの数字を、Yahoo!ファイナンス「シンバイオ製薬(株)【4582】:株価時系列」(2026年8月28日閲覧)で確認しました。
2026年8月19日時点の株価は、記事の数字とほぼ一致しています。
時価総額も、株価から計算した値とおおむね整合していました。
続いて、メディネット(2370)です。
記事の記載は次のとおりです。
株価25円・1単元購入代金2,500円・PER算出不可・PBR2.08倍・
配当利回り0%・時価総額7,042百万円・自己資本比率88.8%。
画像:gori-gori.com記事内のメディネットデータ表よりYahoo!ファイナンス「(株)メディネット【2370】:株価・株式情報」(2026年8月28日閲覧)でも、同じように確認しました。
株価・PBRとも、記事の数字から大きくズレていません。
少なくとも、この部分の数字に大きな誤りは見当たりませんでした。
表は左右にスクロールできます
| 項目 | gori-gori.com記事の記載 | 一次資料で確認できる値 | 一致/不一致 |
|---|
| シンバイオ製薬(4582) 株価 | 69円 | 69円前後(2026年8月19日時点、Yahoo!ファイナンス) | 一致 |
| シンバイオ製薬(4582) 時価総額 | 5,274百万円 | 株価×発行済株式数からほぼ同水準と算出 | 一致 |
| メディネット(2370) PBR | 2.08倍 | 時価総額÷自己資本からほぼ同水準と算出 | 一致 |
数字自体には、私も文句ありません。
シンバイオ製薬もメディネットも、株価・時価総額はほぼ記事どおりでした。
ただ、数字が正しいことと、この2銘柄を今買うべきかどうかは、別の話です。
ここまでの数字は、丁寧に拾われています。
ただし、「数字が合っていること」と「紹介の中身が妥当なこと」は、別の問題です。
次は、記事が挙げた決算期そのものを見ていきます。
『この銘柄、決算とどこまで合ってるんだろう』と思ったら、LINEで一緒に確認しましょう。

投資詐欺検証ラボLINE相談窓口
②メディネットの「2023年12月期」を確認する
続いて、もう一社。
メディネットについての記述を見ていきます。
gori-gori.comの記事には、こう書かれていました。
“引用
メディネットは、再生医療分野における独自の細胞技術を強みとし…2023年12月期の連結業績は売上高が前期比で減少し、営業損失及び純損失を計上。具体的な金額の公表はありませんが、引き続き厳しい業績環境にあるとみられています。
出典gori-gori.com「今買えばいい注目株」(2026年8月19日公開)
『2023年12月期』。
この言葉、見た瞬間に引っかかりました。
メディネットに、そんな決算期はないはずだからです。
ここは、事実確認だけで白黒つく話です。
メディネットの決算期は、そもそも9月期です。
10月に始まり、翌年9月に終わる期で、決算日は9月30日です。
確認したのは、IRBANK「2370 メディネット 決算発表履歴」です。
決算発表の履歴をひとつずつ見ても、
「2023年12月期」という決算期は、一度も出てきません(2026年8月28日閲覧)。
記事の記述と、実際の決算期
- gori-gori.comの記述
- 2023年12月期の連結業績(売上高減少・営業損失・純損失)
- メディネットの実際の決算期
- 9月期(10月〜翌年9月、決算日9月30日)
- 「2023年12月期」の記載
- IRBANKの決算発表履歴に該当なし
ここまでの確認を、
年表にして並べます。
気になる方は、IRBANKのページでご自身でも確認できます。
| 決算期 | 出典 |
|---|
| 2017年9月期 | IRBANK |
| 2018年9月期 | IRBANK |
| 2019年9月期 | IRBANK |
| 2020年9月期 | IRBANK |
| 2021年9月期 | IRBANK |
| 2022年9月期 | IRBANK |
| 2023年9月期 | IRBANK |
| 2024年9月期 | IRBANK |
| 2025年9月期 | IRBANK |
| 2023年12月期 | 該当なし(記載されていない決算期) |
画像:IRBANK「メディネット 決算発表履歴」より。決算期は一貫して9月期決算日についても、
別の情報源で裏を取りました。
日経電子版のメディネットの企業概要ページにも、
決算日は9月30日と記載されています。
確認ポイント
分析マン的メモ:なぜ「12月期」なのか
他社のデータと混同したのか、
テンプレートの使い回しなのか。
理由は、編集部にも分かりません。
ただ、
実在しない決算期を使って業績を語っているという点は、事実として残ります。
これは「捏造」ではなく「事実誤認」という言葉が適切だと考えています。
古い決算を新しい情報のように見せる例は、HEROZの決算を1年以上前のまま紹介した記事や、エクサウィザーズの決算を1期前のまま紹介した記事でも確認しています。 こういう記事の数字を、そのまま鵜呑みにしません。
決算期が根本的に違う記事です。
メディネットの株を検討するなら、
公式のIR資料を自分で確認することをおすすめします。
③シンバイオ製薬データの「新しさ」を確認する
この記事が引用している、
シンバイオ製薬(4582)の業績データを見ていきます。
gori-gori.comの記事は2026年8月19日に公開されました。
そこで紹介されている決算は、
2023年12月期(2024年2月8日発表)のものです。
“引用
2023年12月期の連結業績は、売上高が前期比44.1%減の55億8,970万円となり、営業損失8億1,166万円、経常損失7億3,600万円、親会社株主に帰属する当期純損失19億6,200万円を計上
出典gori-gori.com「今買えばいい注目株」(2026年8月19日公開)
この数値そのものを確認すると、
シンバイオ製薬が2024年2月8日に発表した決算短信と、
ほぼ完全に一致しています。
数字を捏造している、
というわけではありません。
ただし、気になる点があります。
記事の公開日は2026年8月19日、
引用されている決算は、
約2年半前のものです。
数字自体は、正確です。
でも『正確』と『新しい』は、別の話なんですよ。
私だったら、2年半前の赤字幅を根拠にした『期待』は、鵜呑みにしません。
直近の数字も見てみます。
シンバイオ製薬が2025年10月30日に発表した、
2025年12月期第3四半期決算短信には、
こう書かれています。
“引用
売上高970,808千円(前年同期比48.9%減)
出典シンバイオ製薬株式会社「2025年12月期第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2025年10月30日)
同じ資料の通期業績予想では、
売上高14億円(前期比42.9%減)、
営業損失42.62億円としています。
2023年12月期の営業損失8億1,166万円と比べると、
赤字はむしろ拡大しています。
表は左右にスクロールできます
| 項目 | 2023年12月期(2024年2月発表・記事が使用) | 2025年12月期Q3(2025年10月発表・直近) |
|---|
| 売上高 | 55億8,970万円(前期比44.1%減) | Q3実績9億7,080万円(48.9%減)/通期予想14億円(42.9%減) |
| 営業損益 | 営業損失8億1,166万円 | 通期予想 営業損失42.62億円 |
| 発表からの経過(記事公開時点) | 約2年6か月前のデータ | 記事公開の10日前に発表 |
注意
「新製品への期待」という言葉と、直近の数字のギャップ
gori-gori.comの記事は、
この業績データのあとに、
「新製品の開発や適応拡大で将来的に売上回復が期待されている」と続けています。
直近で実際に公表されている数字は、赤字幅の拡大です。
決算短信は、証券取引所の適時開示情報閲覧サービス(TDnet)などで、
誰でも無料で確認できます。
気になる銘柄は、直近の決算短信を自分で開いてみてください。
投資判断の前に、
私は必ず発表日を見ます。
古いデータを新しい話のように見せる書き方は、
この手のまとめ記事でよくあります。
ここまでを整理します。
引用されている数値そのものは、正確です。
捏造や改ざんではありません。
ただし、2026年8月という公開時点に対し、約2年半前のデータを根拠に、
『回復への期待』を語る書き方には、注意が必要です。
これは詐欺かどうかではなく、情報の鮮度の問題です。
運営者・「今買えばいい注目株.com」を調べる
gori-gori.comの記事は、シンバイオ製薬・メディネットの解説のあと、
最後にこう締めくくられています。
『今買えばいい注目株.com』の公式LINEへの登録を促す一文です。
“引用
『今買えばいい注目株.com』の公式LINEでは、ブログやnoteの更新情報はもちろん、一般のニュースには載らない『次に資金が流入しそうな注目テーマ』や、佐藤による『相場先読み速報』をタイムリーに限定配信しています。登録は完全無料です。
出典gori-gori.com「今買えばいい注目株」(2026年8月19日公開)
『相場先読み速報』。
これ、具体的に何を指すのか、記事のどこにも説明がありません。
中身が分からない言葉で登録を急がせる文言は、私は鵜呑みにしません。
ここからは、印象ではなく 事実を確認していきます。
『今買えばいい注目株.com』の運営者情報ページには、
運営責任者として 佐藤真理子 さんの名前があります。
サイトの運営開始は、2014年と書かれています。
運営者情報ページで確認できること・できないこと
- 運営責任者
- 佐藤真理子
- サイト運営開始
- 2014年
- 法人名
- 記載なし
- 所在地
- 記載なし
- 電話番号
- 記載なし
- 金融商品取引業の登録番号
- 記載なし
この佐藤真理子さんという名前と、
『今買えばいい注目株.com』というサイト名だけで、
公的資料の裏取りを試みました。
国税庁の法人番号公表サイトや、
金融庁の投資助言・代理業者登録一覧を確認しましたが、
法人名が特定できないため、
照合の手がかりが得られませんでした。
注意
分析マン的メモ:「確認できない」と「存在しない」は別の話
法人名の記載がないからといって、
『実在しない』と決めつけることはしません。
個人名だけでは、公的資料での裏取りが難しいというのが、
編集部が確認できた事実です。
会社としての実在や登録の有無を、読者自身が後から検証できる材料が、
この時点では乏しいということです。
以前、同じ運営者名で公式LINEの実体を確認した記事でも、法人名・所在地は確認できませんでした。 gori-gori.comの記事には、
シンバイオ製薬・メディネットの株価や決算数値も並んでいます。
こうした数字も、登録前に自分の目で確かめられるポイントです。
- 1記載されている 株価・時価総額 を、今の値と照合する
- 2記載の決算期が、その企業の実際の決算月と一致しているかを確認する
- 3『最新』とされるデータの発表日を、IR資料で確認する
- 4無料登録の先で何が案内されるかを、登録前に運営者情報のページで確認する
法人名も、電話番号も、
登録番号も分からないまま、
『相場先読み速報』を受け取る関係になる。
私だったら、ここで一旦立ち止まります。
運営者や登録状況が気になったら、LINEで一緒に確認しましょう。

投資詐欺検証ラボLINE相談窓口
LINE登録前のチェックリスト
ここまで見てきた材料を、チェックリストの形にまとめます。
LINE登録の前に、ご自身の目で確認できることばかりです。
- 紹介されている株価・時価総額を、Yahoo!ファイナンスや証券会社アプリで今の値と照合したか
- 記事が挙げている「決算期」が、その企業の実際の決算月(何月期か)と一致しているか、IRBANKや会社四季報で確認したか
- 「最新の業績」として書かれているデータの発表日を、企業の決算短信(IR資料)で確認したか
- サイトに運営者名・所在地・特定商取引法に基づく表記があるか
- 運営者名や会社名を国税庁の法人番号公表サイトで検索し、実在を確認したか
- 無料のLINE登録の先で、有料サービスや投資顧問への案内があるかどうかを事前に確認したか
- 良い情報だけでなく、直近の悪化要因(赤字拡大など)も併記されているか
運営者「佐藤真理子」さんの実在を、編集部も確認できませんでした。
この状態のまま登録するのは、正直おすすめしません。
どれか一つでも確認できない場合は、登録を急ぐ必要はありません。
焦って判断しない時間も、大切な確認の一部です。
チェックが面倒に感じたら、LINEで聞いてください。

投資詐欺検証ラボLINE相談窓口
まとめ|結論は「数字は正確でも鵜呑みは危険」
ここまでの検証を、3つの切り口で整理します。
表だけでも、判断の材料として使ってください。
表は左右にスクロールできます
| 切り口 | 編集部の見立て | 押さえる軸 |
|---|
| ①数字の正確性 | 株価・時価総額・PBRの数値そのものは公開情報とほぼ一致していた | 個別の数字だけを見て「正確な記事」と即断しない |
| ②決算情報の正確性・鮮度 | メディネットに存在しない「12月期」への言及、シンバイオ製薬については2年半前データを新しい情報のように提示 | 決算期・発表日を一次資料で必ず照合する |
| ③勧誘導線・運営者 | 運営者「佐藤真理子」の実在・所在地は確認できず、LINE登録後の情報の中身も不明 | 無料登録の先に何があるか、登録前に確認する |
数字が正しいだけでは、記事の中身までは保証されません。
この記事だけを根拠に動くのは、私ならやめておきます。
数字は正確でも、決算期の解説には見過ごせない誤りがあります。
鵜呑みにしての登録はおすすめしません。
確認ポイント
分析マン的メモ:一人で判断に迷ったら
この記事のように、数字は正確でも肝心なところに問題があるケースは少なくありません。
ひとりで判断に迷う場合は、投資詐欺検証ラボの無料相談へご相談ください。
材料を一緒に並べることはできます。