結論を先に置きます
結論を先に置きます。
株情報サイト「今買えばいい注目株」(gori-gori.com)は、
2026年8月21日にエクサウィザーズ(4259)とWIZE(3664)を紹介する記事を公開しました。
記事は、エクサウィザーズについて「直近2026年3月期決算では…純利益は-25.8億円と赤字」と書いています。
ところが、
同じ2026年3月期の決算短信を確認すると、
話が変わってきます。
エクサウィザーズの本当の直近決算(2026年5月12日公表)は、
売上高119億9,600万円(前年同期比+22.3%)、
営業利益15億9,400万円、
親会社株主に帰属する当期純利益15億3,300万円の黒字でした。
記事に書かれた「赤字」の数字と、
公式発表の数字が、正面からぶつかっています。
結論だけ先に言うと、
僕は『赤字』『業績不振』のような
後ろ向きな言葉を見たら、
必ずその決算がいつのものかを確認します。
『直近決算』と書かれていても、
実際には1期前の数字ということがあります。
ここで、先に断っておきます。
エクサウィザーズやWIZEという会社そのものを、私は検証していません。
見ているのは、
gori-gori.comという情報サイトが、
どんな数字・表現で紹介したか、その一点です。
これから、
①エクサウィザーズ(4259)の「赤字」という数字、
②WIZE(3664)の「リスク要因」欄、
③記事の誘導先、
の順番で確認していきます。
まずは3つに分けて見る
ここから、3つの切り口に分けて見ていきます。
①エクサウィザーズの決算、
②WIZEのリスク要因、
③誘導先・運営者情報、
この3つです。
見出しの言葉や『直近』という前置きと、
実際の決算短信の数字が、ここまでずれることがあります。
僕はまず、決算短信の日付の方を確認します。
表は左右にスクロールできます
| 切り口 | 編集部の見立て | 押さえる軸 |
|---|
| ①エクサウィザーズ(4259) | 「直近2026年3月期決算は赤字」という記載は、実際には1期前(2025年3月期)の数字。本当の直近決算は営業利益15.9億円の黒字 | 「直近決算」がどの期のものかを日付で確認する |
| ②WIZE(3664) | 損益の数字自体はほぼ最新の第2四半期決算と一致。ただし東証グロース市場の上場維持基準(時価総額40億円)に抵触し改善期間中である事実はリスク欄になし | リスク要因欄に書かれていない適時開示も確認する |
| ③誘導先・運営者 | 今カブ公式LINE(佐藤真理子)は当ラボ別記事で法人情報の記載なしと確認済み。サイドバーの推奨実績も別記事で終値ベースの見直し済み | 運営者情報・推奨実績は検証済み記事にリンクする |
ここで、はっきりさせておきたいことがあります。
数字が古い・書かれていないからといって、
運営者を詐欺と決めつけるつもりはありません。
私が見ているのは、
「記事に書かれた数字・情報」と「公式に開示されている事実」がずれている、という点です。
このあと②③の中身を、
一つずつ確認していきます。
① エクサウィザーズ(4259)「直近決算」の数字を確認する
gori-gori.comは、
エクサウィザーズ(4259)について、
「直近2026年3月期決算では、売上高98.1億円(前年同期比+17.02%)、営業利益0.2億円、純利益は-25.8億円と赤字」と紹介しています。
この数字が本当に「直近」のものか、
まずは決算短信の実物で一つずつ確認していきます。
画像:gori-gori.com「今買えばいい注目株」の記事内エクサウィザーズ銘柄情報テーブルより記事内の銘柄情報テーブルには、
株価目安788円・PER算出不可(赤字等)・PBR7.47倍、
配当利回り0.63%・時価総額764億4,000万円、
自己資本比率48.1%と並んでいます。
この「赤字」を裏付けとする数字が、
公式の決算短信とどこまで合っているか見ていきます。
画像:株式会社エクサウィザーズ「2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年5月12日公表)より株式会社エクサウィザーズ「2026年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)」
(2026年5月12日公表)によると、
本当の2026年3月期の連結業績は、
売上高119億9,600万円(前期比+22.3%)、
営業利益15億9,400万円、
経常利益15億6,600万円、
親会社株主に帰属する当期純利益は
15億3,300万円(前期は25億7,600万円の赤字)と、
前期から黒字に転換しています。
一方、前期(2025年3月期)の実績を見ると、
売上高98億1,100万円(前期比+17.0%)、
営業利益2,300万円、
当期純利益は△25億7,600万円の赤字となっています。
gori-gori.comが「直近2026年3月期決算」として書いた
98.1億円・0.2億円・-25.8億円という数字は、
この1期前(2025年3月期)の実績と、ほぼ一致します。
『直近2026年3月期決算』と書いてあるのに、
中身は1期前の2025年3月期の数字でした。
この1年で、会社の状態は赤字から黒字に変わっています。
古い数字のまま『赤字』と紹介されると、
読む側の印象は逆になってしまいます。
表は左右にスクロールできます
| 項目 | gori-gori.comが「直近決算」として記載 | 実際の2025年3月期(前期) | 本当の直近決算(2026年3月期) |
|---|
| 売上高 | 98.1億円(前年同期比+17.02%) | 98.11億円(+17.0%)・ほぼ一致 | 119.96億円(+22.3%) |
| 営業利益 | 0.2億円 | 0.23億円・ほぼ一致 | 15.94億円 |
| 純利益 | -25.8億円の赤字 | △25.76億円の赤字・ほぼ一致 | 15.33億円の黒字 |
| 自己資本比率 | 48.1% | 34.3%(連結) | 44.1%(連結) |
並べてみると、
「直近決算」として書かれた3つの数字(売上高・営業利益・純利益)は、
1期前の実績とほぼ一致しています。
一方で自己資本比率48.1%は、
決算短信に記載された連結の数値(2026年3月期44.1%・2025年3月期34.3%)の
どちらとも一致しませんでした。
ここは確認できない数字として残しておきます。
エクサウィザーズは、決算が赤字から黒字に転換した直後のタイミングで、記事には1期前の赤字の数字がそのまま「直近決算」として書かれていました。
『他の銘柄記事も、直近と書きながら古い数字を使っていないか』——自分では決算短信をさかのぼって確認しきれない、という方も多いと思います。
気になる銘柄があれば、LINEで一緒に確認しましょう。

投資詐欺検証ラボLINE相談窓口
② WIZE(3664)「リスク要因」に書かれていなかったこと
gori-gori.comは、
WIZE(3664、旧モブキャストホールディングス)について、
「2026年12月期第2四半期決算では…純損失は約3億1,500万円と損失幅が拡大」「11期連続で最終損失が続いている」と紹介しています。
リスク要因としては、
「11期連続の赤字計上」「暗号資産の価格変動リスク」「事業ポートフォリオ転換のリスク」の3点が挙げられています。
画像:gori-gori.com「今買えばいい注目株」の記事内WIZE銘柄情報テーブルよりまず、決算の数字そのものを確認します。
画像:株式会社WIZE「2026年12月期第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」(2026年8月14日公表)より株式会社WIZE「2026年12月期第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)」
(2026年8月14日公表)によると、
売上高13億8,100万円(前年中間期比△3.9%)、
営業損失1億4,100万円、
経常損失3億100万円、
親会社株主に帰属する中間純損失3億1,400万円と、
記事の数字とほぼ一致しています。
SBI VCトレードとの連携によるWIZEバリデータの運用拡大も、
同社の公表資料で確認できました。
損益の数字自体は、
ほぼ最新の決算と一致していました。
エクサウィザーズと違って、
ここは古い数字ではありません。
では、リスク要因の欄はどうでしょうか。
記事のリスク要因には書かれていませんが、
WIZE(旧モブキャストホールディングス)は、
東京証券取引所グロース市場の上場維持基準(時価総額40億円)に抵触し、
2026年1月から「改善期間」に入っています。
“引用
当社グループは営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失を計上しており、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
出典株式会社WIZE(旧モブキャストホールディングス)「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況(改善期間入り)及び計画書の更新に関するお知らせ」
改善期間の終了予定日は2026年12月31日で、
これまでに基準に適合しない場合、
2027年7月1日に上場廃止となる見通しです。
gori-gori.comの記事にある時価総額21億4,100万円は、
基準となる40億円を大きく下回った水準のままです。
この「上場廃止の可能性がある」という情報は、
記事のリスク要因欄には一切登場しません。
『11期連続赤字』とは書いてありましたが、
『時価総額基準に抵触して改善期間中』とは
書かれていませんでした。
僕なら、リスクを書くならここを外しません。
表は左右にスクロールできます
| 項目 | 記事のリスク要因欄 | 公表されている事実 |
|---|
| 赤字の継続 | 11期連続の赤字計上、と記載あり | 2026年12月期中間期も営業損失・経常損失・純損失を計上 |
| 上場維持基準 | 記載なし | 時価総額基準(40億円)に抵触し2026年1月から改善期間中。未達なら2027年7月1日上場廃止 |
| 継続企業の前提 | 記載なし | 開示資料に「重要な疑義を生じさせる事象が存在」との記載あり |
WIZEについては、決算の数字自体は記事とほぼ一致していました。
ただし、上場廃止の可能性にまで触れた「継続企業の前提に関する重要な疑義」は、リスク要因欄からは読み取れません。
気になる方は、LINEで開示資料も一緒に確認しましょう。

投資詐欺検証ラボLINE相談窓口
③ 誘導先を確認する
記事の末尾には、
今カブ公式LINEへの案内が置かれています。
このLINEアカウントと運営者佐藤真理子氏については、
「拡大基調」の見出しを検証した別記事で、
運営者情報ページに法人名・所在地・法人番号の記載がないことをすでに確認しています。
今回の記事でも、案内文言に変化は見られませんでした。
また、記事のサイドバーには「最新の投資実績」として、
【7162】アストマックス(獲得利益135万4500円・株価上昇2.38倍)、
【281A】インフォメティス(獲得利益145万3600円・株価上昇2.48倍)
という実績が表示されています。
この2銘柄の実績については、
「推奨実績」を終値で計算し直した別記事で、
「推奨買値」はその日の安値、「推奨売値」はその日の高値で計算されており、
終値どうしで計算し直すと約1.9〜2.05倍にとどまることを、すでに確認しています。
今カブ公式LINEも、
サイドバーの実績表も、
当ラボの別記事ですでに確認済みです。
気になる方は、
そちらもあわせて見てください。
銘柄紹介記事を読むときのチェック
ここまでの確認作業を、
次に別の銘柄紹介記事を読むときにも使える形に整理します。
- 1「直近」「今期」と書かれた決算が、本当に最新の期のものか、決算短信の公表日で確認する
- 2見出しや紹介文の言葉(赤字・黒字・拡大基調など)が、その期の決算短信の実数値と一致しているか確認する
- 3リスク要因欄に、上場維持基準・継続企業の前提に関する注記など、開示されている重大なリスクが漏れていないか確認する
- 4自己資本比率などの財務指標が、最新の四半期か前期末のものかを確認する
- 5誘導先のLINE・投資顧問・AI投資ツールの運営者情報に、法人名・所在地・法人番号の記載があるか確認する
- 「直近決算」の数字が、本当にその期の決算短信と一致しているか、公表日を照合する
- リスク要因欄に書かれていない重大な適時開示(上場維持基準・継続企業の前提など)がないか確認する
- 「獲得利益」「株価上昇◯倍」の実績表示が、買値・売値それぞれ何時点の価格かを確認する
- 個人名義で運営されているLINE配信・サイトは、運営者情報ページに法人名・所在地・法人番号の記載があるか確認する
- 見出しの印象だけで判断せず、迷ったら登録前に第三者に相談する
5つ並べましたが、僕ならまず①の『直近と書かれた決算が本当に最新か』だけ確認します。
それだけでも、かなりの手がかりになります。
5項目のうち、まず優先すべきは①の『直近決算の公表日を照合すること』でした。
とはいえ、残りの項目も含めて一人で全部確認するのは大変です。
迷ったときは、LINEで送ってください。一緒に照合します。

投資詐欺検証ラボLINE相談窓口
まとめ|結論は「『直近決算』は1期前の数字でした」
表は左右にスクロールできます
| 切り口 | 編集部の見立て | 押さえる軸 |
|---|
| ①エクサウィザーズ(4259) | 「直近2026年3月期決算は赤字」という記載は、実際には1期前(2025年3月期)の数字。本当の直近決算は営業利益15.9億円の黒字 | 「直近決算」がどの期のものかを日付で確認する |
| ②WIZE(3664) | 損益の数字自体はほぼ最新の第2四半期決算と一致。ただし東証グロース市場の上場維持基準(時価総額40億円)に抵触し改善期間中である事実はリスク欄になし | リスク要因欄に書かれていない適時開示も確認する |
| ③誘導先・運営者 | 今カブ公式LINE(佐藤真理子)は当ラボ別記事で法人情報の記載なしと確認済み。サイドバーの推奨実績も別記事で終値ベースの見直し済み | 運営者情報・推奨実績は検証済み記事にリンクする |
結論として、「直近決算」という言葉だけで判断するのはおすすめしません。
決算短信の公表日まで、ご自身でも確認してみてください。
もう一度言います。
エクサウィザーズ・WIZEという会社そのものが詐欺だ、という話ではありません。
ただ、『直近決算』の書き方や、リスク要因欄の選び方には、僕は同意できません。
『直近2026年3月期決算』という記載が、実際には1期前の数字だったという記録と、リスク要因欄に書かれていなかった上場維持基準の話を、ここまで一緒に確認してきました。
gori-gori.comの他の銘柄記事や、普段ご覧になっている情報サイトの数字についても、『このまま信じていいのか』と気になることがあるかもしれません。
決算短信の原文を読み込む前に、LINEで編集部へ気軽に確認してください。
確認ポイント
気になる記事があれば
『この数字、本当に最新かな』と思ったら、
編集部のLINEで一緒に決算短信の公表日まで確認しましょう。
リスク要因欄に書かれていない開示情報が気になる場合も、登録前に相談してください。