結論を先に置きます 「世界中から集まった寄付を、抽選で分配する」——そんな触れ込みでLINE広告から誘導される 寄付タウン の話です。
結論を先に3つ置きます。
① 入口はApp Store公式アプリを装う偽装ページで、評価4.9・1.2万件の評価といった数字は 実際のApp Storeには存在しません 。
② 当選を知らせてくるのは「花山くにこ」を名乗る人物で、受け取りには 楽天ギフトカードでの支払いを繰り返し求められます 。
③ 運営団体名は「一般社団法人○○」と 空欄の記号のまま公開 されており、特定商取引法に基づく表記もありません。
すでにホーム画面に追加してしまった方・ギフトカードを買うよう言われている方に向けて、順番に整理します。
結論だけ先に言うと、私ならギフトカードは買いません。
受け取るために先にお金を払う当選話は、その時点で止まります。
注意
「楽天ギフトカードを買って番号を教えて」と言われたら、支払わないでください
当選金・支援金の 受け取り に、こちらがお金を払う必要は本来ありません。
「受け取りには手数料が必要」などと言ってコンビニでギフトカードを買わせ、 番号を伝えさせる手口 は、警察庁・国民生活センターが繰り返し注意喚起しているパターンです。
番号を伝える前に、手を止めてください 。
まずは3つに分けて見る 表は左右にスクロールできます
切り口 広告・運営側の見せ方 確認できる事実・公的見解 ① 入口の画面 評価4.9・1.2万件の評価・チャート1位・開発者「公式」 実際のApp Storeにこのアプリは存在しない。ホーム画面に追加するWebアプリを「公式アプリ」と見せている ② 当選後の流れ 「花山くにこ」から『10億円が当選』と連絡 受け取りに楽天ギフトカードでの支払いを要求。申し込んでいない抽選での当選金は受け取れない(国民生活センター) ③ 運営情報 「一般社団法人として、透明性と信頼性を大切に運営」 団体名は空欄の記号のまま公開。特定商取引法に基づく表記もなし
先に書いておくと、「寄付タウン」という固有名について、 逮捕や行政処分などの公的記録は、編集部が確認した範囲では見つかっていません 。
運営者の実体も特定できていません。
だからこそこの記事では、 警察庁・国民生活センター・消費者庁の公的な注意喚起 だけを土台に、確認できる手口の構造と、 被害に遭わないための判断材料を整理していきます 。
画面・当選連絡・運営情報の3つに分けると、流れが見えます。
私は、当選額より最後に何を買わせるかを見ます。
ここまでで、 画面・当選連絡・運営情報の3つに分けて見る 土台を確認しました。
自分が見たLINEがこの形に当てはまるのか、判断が難しいこともあると思います。
気になるLINEやアプリがあれば、 気軽に聞いてください 。
投資詐欺検証ラボ LINE相談窓口
① 入口の偽装——App Store風の「公式アプリ」画面 案内先のページに書かれた寄付タウンの説明。 「寄付」と「抽選」を組み合わせた仕組み とうたいますが、 誰がどの口座でお金を管理しているかは書かれていません (画像:寄付タウンの案内ページより)。 寄付タウンの広告は、まずApp Storeにそっくりな画面を表示します。
「寄付タウン」という名前と「公式アプリ」の文字、青い「入手」ボタンが並び、 評価4.9・1.2万件の評価・チャート1位・開発者「公式」 という表示も添えられています。
しかし実際にApp Storeで「寄付タウン」を検索しても、 このアプリは存在しません 。
これらの数字は、 このページの中だけで完結した自作の表示です 。
評価やランキングの数字が並ぶと信頼できそうに見えます。
私は、その数字がApp Store本体で確認できるかを先に見ます。
分配の仕組みとして示される3ステップ。 寄付が集まる→抽選に参加→当選者へ分配 と説明しますが、 誰が審査し、誰が送金を実行するのかは書かれていません (画像:寄付タウンの案内ページより)。 「入手」ボタンを押しても、実際にダウンロードされるアプリはありません。
代わりに案内されるのは、Safariの共有機能を使って ホーム画面にショートカットを追加する手順 です。
これは審査を受けた本物のアプリではなく、 Webサイトをホーム画面に置くだけの「Webアプリ」 です。
寄付の集め方・審査基準・送金の実行元についても、ページのどこにも説明がありません。
② 当選後の流れ——花山くにこと楽天ギフトカードの請求 案内ページに並ぶ「支援事例」。生活費・学費・医療費など用途は具体的ですが、 名前も日付も金額の証拠もありません (画像:寄付タウンの案内ページより)。 ホーム画面にアイコンを追加すると、その後の連絡は「花山くにこ」を名乗る人物から届きます。
「10億円が当選した」という案内が繰り返し届き、受け取りには 楽天ギフトカードでの支払い が必要だと言われます。
金額は最初3,000円ほどから始まり、 払ったあとに1万円 、さらに名目を変えて増えていく報告があります。
法律相談サイトには、楽天ギフトカードを2回、合計1万3,000円分購入したという投稿もありました。
10億円を渡す側が、先に3,000円を払えと言ってくることはありません。
私なら、その時点で支払いを止めます。
同じように、当選を装ってギフトカードを請求する手口は、 当選広場 でも確認しています。
当選金を受け取れたという 第三者の報告は、編集部が確認した範囲では1件も見つかりませんでした 。
国民生活センターは、宝くじや懸賞をかたる連絡についてこう述べています。
“ 引用
詐欺の疑いがあります。申し込んでいない宝くじが当たることはありません。絶対に相手に返信しないようにしましょう。
出典 国民生活センター 消費者トラブルFAQ「『宝くじに当たった』という連絡が来た。本当か。」同センターは別の解説でも、 当選を装う連絡 について次のように注意を促しています。
“ 引用
申し込んでいない宝くじが当たることはありません。お金を受け取るための手続きと見せかけ、実際には送金料や手数料と称してお金を請求したり、個人情報やクレジットカード番号等を盗み取る手口の可能性があります。
出典 国民生活センター「心当たりのない海外宝くじや懸賞に当選したというSMSが届いた」支払い手段に コンビニのギフトカード(電子マネー)の番号 を使わせるのも、この種の詐欺の定番です。
番号を伝えるだけで相手にお金が渡り、現金と違って 取り戻すのがほぼできなくなります 。
警察庁は、この手口についてこう明言しています。
“ 引用
「コンビニで電子マネーカードを買って、カード番号を教えて」は詐欺。事業者、法務省や裁判所などが「未納料金などの支払い」の名目で、コンビニエンスストアで、電子マネー(プリペイドカード)を購入させることは絶対にありません。
出典 警察庁「架空料金請求詐欺」(SOS47特殊詐欺対策ページ)※この注意喚起は本来、未納料金をかたる別の詐欺を契機に出されたものですが、 「コンビニで電子マネーを買わせ、番号を伝えさせる」という手口そのものへの公的な警告 として読み取れます。
寄付タウンのギフトカード請求も、構造はまったく同じです。
ギフトカードを買うように言われたら、詐欺の典型的特徴と一致すると考えてください 。
花山くにこを名乗る連絡と、楽天ギフトカードの請求を見てきました。
すでに購入するよう急かされていて、迷っている方もいるかもしれません。
番号を伝える前に、 いちどLINEで確かめてください 。
投資詐欺検証ラボ LINE相談窓口
③ 運営情報——空欄のまま公開された「一般社団法人○○」 寄付タウンの案内ページ最下部には、運営者を示す表記があります。
しかし改めて確認しても、「 一般社団法人○○寄付タウン運営事務局 」という表記のまま、 団体名の部分が空欄の記号で公開されています 。
ページ内では「一般社団法人として、透明性と信頼性を大切に運営しています」ともうたっていますが、利用規約・プライバシーポリシーへのリンクは見当たらず、 特定商取引法に基づく表記もありません 。
透明性を掲げながら、肝心の団体名が空欄というのは私には引っかかります。
名乗る名前が確認できないなら、私はその先へ進みません。
団体名が分からないと、 国税庁の法人番号公表サイトで実在を確認することもできません 。
国税庁の法人番号公表サイト は、商号・所在地・法人番号を手がかりに検索する仕組みです。
名乗る名前自体が空欄では、 照合のしようがありません 。
消費者庁は2025年9月、公的風の団体名をかたって高額な給付金を持ちかけ、電子マネーカードの購入を求める同種の手口についてこう注意喚起しています。
“ 引用
「特別法人支援団体」といった公的に存在するかのような名称をかたり、消費者に「80億円の支援金を給付する」旨のメールを送り、消費者が支援金の給付手続を進めると、支援金を受け取るためには3,000円の電子マネーカードの購入が必要などと説明され、これに応じて電子マネーを購入し事業者に送金するも、結局支援金を受け取ることができない、という相談が各地の消費生活センター等に数多く寄せられています。
出典 消費者庁「支援団体等の名称をかたり、いわゆる支援金の給付を持ち掛けて架空の料金請求を行う事業者に関する注意喚起」(2025年9月11日)※この注意喚起は「寄付タウン」を名指ししたものではありません。
ただ、 公的風の団体名をかたり、高額な給付金を持ちかけ、最初は数千円の電子マネーカードから請求する という骨格は、寄付タウンの手口と一致しています。
「寄付」を名乗りギフトカードを請求する手口は、 寄付型クラファン という別の案件でも見られました。
消費者庁・国民生活センターが「寄付タウン」という固有名を名指しで注意喚起した記録は、編集部が確認した範囲では見つかりませんでした。
固有名がリストに無いことは、安全を意味しません 。
「寄付タウン」は本物のkifutownと関係があるのか 「寄付タウン」という名前は、 株式会社ARIGATOBANKが運営していた実在のアプリ「kifutown」と同じ読み方です 。
ARIGATOBANK社の自社発表によれば、kifutownは2021年7月24日に、実業家・前澤友作氏の現金給付企画をきっかけに始動したサービスです。
“ 引用
前澤氏が「Twitter上にて行った、総額約32億円、延べ人数25,164名、期間にして約2年半に及ぶ、お金贈りプロジェクトに端を発して生まれた」
出典 株式会社ARIGATOBANK プレスリリース「前澤友作の想いをカタチにする『個人間で簡単に寄付し合える』プラットフォーム『kifutown』本日始動」(2021年7月24日)同社の発表によれば、kifutownは2022年6月17日に、 サービス名を「arigatobank」へ変更しています 。
“ 引用
kifutownがサービスをリニューアルし、サービス名称をarigatobankに変更
出典 株式会社ARIGATOBANK プレスリリース「kifutownがサービスをリニューアルし、サービス名称をarigatobankに変更」(2022年6月17日)つまり「kifutown」は 現在の正式なサービス名ではありません 。
今回調査した広告ページは、 あえて古い呼び方をそのまま使っている 点も引っかかります。
運営元も「○○」で伏せられ、特定商取引法に基づく表記もない今回の広告ページとは、 明確に別物 です。
今の正式名称ではなく、あえて古い呼び方を使っているのも私には気になる点です。
名前が似ているだけで、中身は別物と考えます。
前澤友作氏の名前・画像を無断で使った、なりすまし詐欺の報告 は他にも出ています。
本人を装ったアカウントが「フォロー&リツイートで全員に配布」と告知していた例が、以前から報じられてきました。
前澤氏は2024年、 なりすまし広告を巡ってメタ社を提訴した と報じられています。
“ 引用
あえて1円にしました。彼らの行為が違法なのか合法なのかまずははっきりさせたい
出典 日本経済新聞「前沢友作氏、詐欺広告巡りメタを賠償提訴 請求額1円」(2024年5月15日)知名度のある名前・サービス名に似せて信用させる手口は、 当選金詐欺の定番 です。
寄付タウンという名前を見て、本物のkifutownやarigatobankを思い浮かべた方も、 無関係だと考えてください 。
当選・お金配りアプリのチェックリスト 申し込んでいない抽選・懸賞で「高額当選」と通知が来たら、 その時点で詐欺を疑う 「アプリ」の入手ボタンを押しても、実際はホーム画面への追加だけなら 本物のアプリではないと考える 当選金・支援金の「受け取り」に、手数料・登録料などの先払いを求められたら 払わない 支払いに「コンビニでギフトカード(電子マネー)を買って番号を教えて」と言われたら、 すべて詐欺と考える 「一般社団法人」など公的に見える名称でも、 団体名・所在地を自分で確認する 団体名が空欄・不明なままなら、 国税庁の法人番号公表サイト でも実在を確認できないと知っておく 当選話は、焦らせるほど立ち止まるべきです。
私は、受け取り費用を求められた時点で申し込みをやめます。
まとめ|「受け取りにお金を払わせる当選」は、すべて疑う 切り口 結論 ① 入口の画面 App Store公式アプリを装うが、実際のApp Storeには存在しない。評価・ランキングは自作の演出 ② 当選後の流れ 花山くにこを名乗る連絡から楽天ギフトカードを請求。申し込んでいない抽選で当選金は受け取れない ③ 運営情報 団体名は空欄のまま公開。特定商取引法に基づく表記もなく、実在確認の手がかりがない
寄付タウンは、公式アプリを装って 最終的にギフトカードを買わせる構造 の案件です。
すでにギフトカードを買ってしまった方も、 これ以上お金を払わないこと がいちばん大切です。
やり取りの記録(スクリーンショット)は消さずに残しておいてください 。
詐欺とは断定しません。
ただ、受け取り前にギフトカードを買わせる流れなら、私はアイコンの追加も支払いもしません。
確認ポイント
不安なときは、お金を払う前に公的窓口へ
「ホーム画面に追加してしまった」「ギフトカードを買うよう言われている」——そんなときは、 お金を使う前に相談してください 。
・ 消費者ホットライン 188(いやや) :最寄りの消費生活センターにつながります
・ 警察相談専用電話 #9110 :詐欺被害・トラブルの相談窓口
一人で判断せず、 ギフトカードの番号を伝える前に、必ず誰かに確認すること が被害を防ぐ最大のポイントです。