結論を先に置きます
「AIが休まず市場を分析して運用してくれる」。
そんな言葉とともに広がっている、ザイチェーンAIという投資プラットフォームです。
結論から書きます。
「詐欺だと断定できる公的な証拠」は、確認できません。
ですが、公式サイトの記載を突き合わせるほど、説明が食い違う箇所が増えていきます。
理由は大きく3つあります。
① 「金融庁と連携」をうたう画像の中で、見出しの会社名とロゴの組み合わせ自体が誤っている。
② 公式サイトが載せる連絡先は、六本木ヒルズの商業施設・総合案内と同じ電話番号。
③ 最低入金額・成功率といった数字が、書かれた場所ごとに複数の値で存在する。
この3つを、順番に確認していきます。
『金融庁と連携』と書かれたロゴ画像を見た時点で、私は一度、確認の手を止めました。
中身を見るほど、説明がかみ合っていないからです。
確認ポイント
本記事のスタンス
断定はしません。
確認できる事実と、確認できない事実を、並べて整理します。
判断は、あなたがしてください。
3つに分けて見る
「AIが運用してくれる」という訴求の前に、3つの切り口で事実を確認します。
①信頼の演出 ②連絡先・会員ページ ③数字・口コミ です。
AIの中身より先に、この3つを見ます。
ここでつまずくサービスに、私は登録しません。
表は左右にスクロールできます
| 切り口 | 公式サイトの説明 | 確認できたこと |
|---|
| ① 信頼の演出 | 国内の主要金融機関・監督当局との連携 | ロゴの組み合わせ自体に誤りがある |
| ② 連絡先・会員ページ | 日本語・24時間365日サポート | 電話は商業施設の総合案内と同じ番号。会員ページの有無も記述が矛盾 |
| ③ 数字・口コミ | 成功率90%超、Trustpilot4.7 | 場所ごとに数字が違い、Trustpilotのページ自体が存在しない |
ここから、①②③の順に、公式サイトの記載を1つずつ確認していきます。
まずは、「信頼の演出」からです。
① 金融庁や大手金融機関のロゴを掲げる「信頼の演出」
ザイチェーンAIの公式サイトを開くと、
最初に出てくるのはサービス内容の説明ではなく、4項目だけの口座開設フォームです。
名前・姓・メールアドレス・電話番号。
何をしてくれるのかが分かる前に、連絡先を渡す流れになっています。
ザイチェーンAI公式サイトの登録手順。2番目に担当者からの電話、3番目に¥38,000の初回入金と案内されています(画像:ザイチェーンAI公式サイトより)。サービスの説明より先に、電話番号を書く欄が来ます。
何をしてくれるのかが分かる前に、連絡先を渡す設計です。
フォームを送ると、担当者から電話がかかってくる案内が続きます。
ただし、その先で電話をかけてくる提携先ブローカーの名前は、サイト内のどこにも書かれていません。
公式サイトのライセンスのページには、こう明記されています。
“引用
提携先ブローカーへの申込取次に関する静的な情報ページを提供しています。
出典ザイチェーンAI公式サイト ライセンスページより
口座開設の審査、注文執行、入金と出金、資金管理、本人確認は直接行わないとも書かれています。
つまり、AIが自分で運用してくれる場所ではありません。
自分では取引をしない、申し込みの取次ページだということです。
トップページの『AIエージェント取引基盤』という印象と、ライセンスのページの説明が、まったく違います。
私なら、この時点で一段警戒します。
公式サイトには、金融機関のロゴを並べた画像もあります。
『金融庁と連携』というロゴを見ると、それだけで安心しそうになります。
ですが、ロゴが並んでいること自体は、信頼の証明にはなりません。
金融庁が個別の民間サービスを監督して安心を保証する、という仕組みは存在しません。
しかも、この画像には雑さが残っています。
見出しは「みずほフィナンシャルグループ」なのに、
その下に置かれているロゴは日本銀行のものでした。
見出しとロゴの組み合わせ自体が、一致していません。
本当に連携している相手なら、ロゴを取り違えることはないはずです。
ここまで雑な組み合わせを、信頼の根拠として出しています。
レバレッジ1000倍は国内の登録業者と数字が合わない
公式サイトには、最低入金額US$250(約37,500円)、最大レバレッジ×1000と書かれています。
この1000倍という数字が、いちばん分かりやすい違和感です。
日本国内で暗号資産の証拠金取引を提供する登録業者について、個人向けのレバレッジ倍率は、金融庁の資料でこう整理されています。
“引用
出典金融庁「暗号資産(仮想通貨)に関連する制度整備について」(2021年4月7日)
国内の登録業者からは、1000倍という条件は出てきません。
レバレッジ1000倍なら、価格が0.1%動いただけで、預けた資金がなくなる計算になります。
つまり、電話をかけてくる提携先は、国内で登録された業者ではない、と読むのが自然です。
1000倍という数字を見た時点で、国内の登録業者ではないと考えて動くのが安全です。
私なら、ここで引き返します。
信頼の演出とレバレッジの数字を見てきました。
『自分が見ている広告も、同じ作りかもしれない』と思ったら、一人で判断せず、状況をそのまま送ってください。

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② 連絡先と会員ページの実態
公式サイトのフッターには、住所と電話番号が載っています。
住所は六本木ヒルズ森タワー、電話番号は+81 3 6406 6000です。
会社名も、階数も、部屋番号も書かれていません。
この電話番号を、六本木ヒルズの公式サイトで確認すると、同じ番号が載っていました。
六本木ヒルズ公式サイトの案内ページ。ザイチェーンAIが載せる電話番号と同じ番号が、施設の総合案内として掲載されています(画像:六本木ヒルズ公式サイトより)。六本木ヒルズのインフォメーションセンター、つまり施設の総合案内の番号でした。
郵便番号まで一致しています。
この番号にかけても、出るのは六本木ヒルズの案内係です。
会社名も出ていないので、この番号がつながらなくても、国税庁の法人番号公表サイトで確認しようがありません。
連絡先として機能していないのと同じです。
公式サイトは、サポート体制を日本語・24時間365日と書いています。
ですが、載せている電話番号の受付時間は11時から19時。
サポート体制の説明と、電話番号の受付時間が合っていません。
会員ページの有無についても、ページによって説明が変わります。
ライセンスのページには、こう書かれています。
“引用
出典ザイチェーンAI公式サイト ライセンスページより
ところが、お問い合わせのページを開くと、記述が変わります。
同じ公式サイトのサポートページ。会員ページからの相談が案内されています。ライセンスページの「会員ログイン機能を持たず」という記載と、内容が食い違っています(画像:ザイチェーンAI公式サイトより)。同じサイトの2つのページで、会員ページがあることになったり、無いことになったりしています。
文章をまとめて用意して、突き合わせをしていないのだと思います。
公式サイトの記載(フッター・確認時点)
- 住所
- 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー(会社名・部屋番号の記載なし)
- 電話番号
- +81 3 6406 6000(六本木ヒルズ総合案内と同一の番号)
- サポート表記
- 日本語・24時間365日(電話受付時間は11:00〜19:00と記載)
- 会員ページ
- ライセンスページ「無し」/サポートページ「有り」で記述が食い違う
連絡先も会員ページも、確認すればするほど説明が変わっていきます。
『もう電話番号を入力してしまった』という段階でも、今の状況をそのまま送ってください。
一緒に整理します。

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③ 口コミとTrustpilotの実在性
利用者の口コミは、探しても見当たりませんでした。
カタカナ表記とアルファベット表記の両方で検索しても、実際に使った人の投稿は出てきません。
良い評判も、悪い評判も、外部には存在しない状態です。
代わりに公式サイトが載せているのが、Trustpilotの評価です。
「Trustpilotで4.7、1,060件のレビュー」と書かれています。
そこで、Trustpilotでzaichain-ai.comのページを確認しようとすると、次の画面が表示されました。
Trustpilotでzaichain-ai.comのページを開こうとすると表示される画面。1,060件のレビューがあるはずの場所に、ページ自体が見当たりません(画像:Trustpilotより)。1,060件のレビューがあるはずの場所に、ページ自体が存在しません。
良い評判も悪い評判も、確かめようがない状態です。
1,060件のレビューが、そのレビューがあるはずの場所に存在しません。
私なら、この数字は参考にしません。
公式サイトには、利用者の声も4件載っています。
年齢、職業、居住地まで書かれていますが、同じ名前をネットで検索しても、元になる投稿は出てきませんでした。
そして公式サイトには、外部の情報を先回りして打ち消す一文も置かれています。
公式サイトの免責事項(ディスクレーマー)。「ネット上の情報をうのみにせず、必ず公式サイトにて最新の情報をご確認ください」と、外部の情報を先に否定する一文が置かれています(画像:ザイチェーンAI公式サイトより)。自分に不利な情報を、先に否定しておく形です。
ここは、特に注意して読む必要があります。
こうした『AIが判断して投資する』という誘い自体は、目新しいものではありません。
金融庁は、SNS上の投資勧誘の手口として、こう注意を呼びかけています。
“引用
AI診断を謳い文句にウェブサイトへ誘い込み、分析レポートを配信すると偽ってSNSへ誘導し、投資話を持ち掛ける。
出典金融庁「それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!」
国民生活センターにも、似た形の相談が寄せられています。
国民生活センターの公表資料には、こうした事例が記録されていました。
“引用
職場の同僚に『AIが判断して暗号資産に投資するシステムでもうかっている。一緒にやらないか』と誘われたあと、セミナーでも契約を促された。資金がないと言うと消費者金融で借りるよう指示され、60万円を借りてそのまま同僚に手渡した。
出典国民生活センター「SNSやマッチングアプリ、友人・知人からの誘いをきっかけとした暗号資産のトラブル」(2022年8月4日)
なお、上記の金融庁・国民生活センターの注意喚起は、ザイチェーンAIを名指ししたものではありません。
ただ、『同僚から誘われた』形も、SNS広告から始まる形も、入口の言葉は同じです。
『AIが自動で運用してくれる』。
この言葉だけで、お金を動かす前に一度確認する。
それだけで避けられるリスクがあります。
誘われ方が同僚でもSNSでも、入口の言葉は同じです。
『AIが自動で運用してくれる』という言葉だけでは、私は動きません。
金融庁の登録・警告リストを確認する
ここからは印象ではなく、公的資料で裏が取れる事実です。
金融庁の無登録業者の警告リストにも、「ザイチェーン」という名称は見当たりませんでした。
ただ、載っていないことは、安全の証明にはなりません。
金融庁の無登録業者リストには、こう明記されています。
“引用
掲載されている無登録業者は、警告書の発出を行った時点で無登録営業を行っていることが確認できた者に限られています。そのため、掲載されていない者でも、無登録営業に該当する行為を行っていることがあり得ますのでご注意ください。
出典金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」
警告を受けていないのではなく、まだ把握されていないだけ、という可能性が残ります。
私なら、掲載が無いことを安心材料にはしません。
気になるサービス名やLINEの案内があれば、一人で抱え込まず送ってください。
一緒に確認します。

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独自整理:数字がどれも一致しない
ここまでの①②③に加えて、もう一つ気になる点があります。
料金と成功率の数字が、書かれた場所ごとに違うことです。
同じサイトの中に、複数の金額と複数の成功率が並んでいます。
どれが本当の数字か、読んでも決まりません。
料金プランと最低入金額の説明が合っていない
料金プランのページ。標準プランは34,000円と表示されています(画像:ザイチェーンAI公式サイトより)。| 書かれていた場所 | 金額 |
|---|
| 取引条件の欄 | US$250(約37,500円) |
| 登録の4ステップ | ¥38,000(初回入金) |
| 料金プランの欄 | 34,000円(標準プラン) |
同じサイトの中に、3種類の金額が並んでいます。
どれを払えばいいのかが、読んでも決まりません。
成功率・利用者数の数字も4種類ある
公式サイト下部の統計表示。利用ユーザー数251,000、平均的な月間成功率90.8%などの数字が並びます(画像:ザイチェーンAI公式サイトより)。| 書かれていた場所 | 成功率の数字 |
|---|
| 特徴の欄 | 成功率84% |
| 信頼を支える基盤の画像 | 自動売買成功率92.7% |
| 統計の欄 | 月間成功率90.8% |
| 本文中 | 精度99.2% |
成功率だけで4つの数字が並ぶことになります。
どれかが本当なら、残りの3つは本当ではないことになります。
『2024年に東京で始動』と書きながら、統計欄には『7.0年以上の業界経験』ともあります。
ドメインの登録日を確認すると、2026年2月13日でした。
サイトができて半年ほどで、7年以上の経験を掲げていることになります。
料金も成功率も、年数さえも、書く場所によって変わっていました。
『自分が見ている画面の数字も、他のページと違うかもしれない』。
そう思ったら、スクリーンショットを送ってください。一緒に確認します。

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申し込む前のチェックリスト
ここまでの内容を、申し込み前に確認できるチェック項目に整理します。
- 公式サイトの金融機関ロゴと実際の連携先が、名称まで一致しているか
- 連絡先の電話番号が、運営会社自身の番号か確認したか(商業施設・レンタルオフィスの代表番号でないか)
- 会員ページ・サポート体制の説明が、ページごとに矛盾していないか
- 最低入金額・料金プランが、書かれている場所によって金額が変わっていないか
- 成功率・利用者数などの実績が、場所によって数字が変わっていないか
- Trustpilotなど第三者の評価ページに、実際にアクセスして確認したか
- レバレッジ倍率を、金融庁の登録業者一覧にある個人向け上限(2倍)と比べたか
この中で1つでも引っかかる項目があれば、私なら次に進みません。
申し込みボタンの前で、一度、指を止めてください。
まとめ
表は左右にスクロールできます
| 切り口 | 確認できたこと | 受け取り方 |
|---|
| ① 信頼の演出 | ロゴの組み合わせに誤りがある。レバレッジ1000倍は国内基準と合わない | 金融機関のロゴは、信頼の根拠にならない |
| ② 連絡先・会員ページ | 電話番号は六本木ヒルズの総合案内と同一。会員ページの有無も矛盾 | 連絡先が機能していない=トラブル時に頼れる窓口がない |
| ③ 数字・口コミ | 料金3種類・成功率4種類が並存。Trustpilotのページは存在しない | 数字は裏を取ってから信じる |
もう一度、整理します。
「詐欺だと断定できる公的な証拠」は、確認できません。
ですが、信頼の演出、連絡先、数字。この3つのどれもが、確認するほど崩れていきます。
リスクの注意書きを自分から書いている点、収益を保証しないと明記している点は、正当に評価できます。
ですが、丁寧に書かれた部分と、実際に確認できる事実が、かみ合っていません。
私が引っかかるのは、丁寧に書かれた文章の中身が、確かめるとすべてずれることです。
結論として、ザイチェーンAIへの登録はおすすめしません。
確認ポイント
「この投資ツール、大丈夫かな」と思ったら
気になるサービス名・LINEでの案内・広告のスクリーンショットがあれば、送ってください。
金融庁の登録業者一覧・無登録業者リストと突き合わせて、「ここは確認できる/ここは確認できない」を一緒に整理します。
投資助言はできませんが、入金・登録の前に確認すべき材料を並べるお手伝いはできます。
相談は無料です。