結論を先に置きます
『ソーシャルレンディングはおすすめできない、は本当か』と題した比較記事があります。
年利5〜10%超という高利回りを掲げるLENDEX(レンデックス)、Funds(ファンズ)、オルタナバンク、AGクラウドファンディング、クラウドバンクの5社を、目的別に紹介する内容です。
結論から書きます。
推薦5社のうち1社の運営会社には、金融庁の行政処分歴が2度あります。
しかも、その事実に読者が気づける書き方にはなっていません。
① 比較記事は、高利回りや上場企業との提携など、各社の好材料だけを目的別に紹介しています。
② 業界では過去に、maneoマーケット・みんなのクレジットなど4社を超える事業者が金融庁から行政処分を受けています。
③ 比較記事自身が引用した行政処分の一覧表に、推薦5社の1社である「クラウドバンク」の運営会社の名前も載っています。
ここから、宣伝文句・行政処分の実例・推薦5社自身の登録状況の順に、1つずつ確認していきます。
高利回りの説明と、
行政処分の一覧表が、
同じ記事の中でつながっていません。
私は、ここが気になりました。
確認ポイント
本記事のスタンス
断定はしません。
並べて、整理します。
判断はあなたがしてください。
まずは3つに分けて見る
比較記事の主張を、
3つの切り口に分けて整理します。
宣伝文句、業界の行政処分の実例、そして推薦5社自身の登録状況。
この3つを混ぜずに見ると、判断材料が見えやすくなります。
表は左右にスクロールできます
| 切り口 | 内容 | 冷静に見たときの注意点 |
|---|
| ①比較記事の宣伝文句 | 高利回り・上場企業との提携・大手グループ傘下といった安心材料を目的別に紹介 | 行政処分歴には触れていない、または気づきにくい書き方になっている |
| ②業界で相次いだ行政処分 | maneoマーケット・みんなのクレジット・ラッキーバンク・インベストメント・エーアイトラストなど4社超が金融庁から処分を受けた実例がある | 比較記事自身が、この一覧表を引用している |
| ③推薦5社自身の登録・処分歴 | 各社は第二種金融商品取引業の登録を公表しているが、運営会社ベースでは処分歴のある事業者も含まれる | 登録は金融庁による信用力の保証ではない |
3つを混ぜて見ると、
『高利回りで人気の5社』で終わってしまいます。
私は、分けて見るようにしています。
①推薦5社の宣伝文句を確認する
比較記事が目的別に推薦していたのは、次の5社です。
- リターン・収益性重視型:LENDEX(レンデックス)。年利5〜10%超の案件が多い
- 安全性・リスクヘッジ型:Funds(ファンズ)。貸付先を上場企業やそのグループ会社に限定
- 短期運用重視型:オルタナバンク。運用期間が数ヶ月程度の短期案件が中心
- 投資しやすさ・利便性型:AGクラウドファンディング。アイフルグループが運営
- テーマ性・社会貢献重視型:クラウドバンク。再生可能エネルギー等の社会貢献案件が多い
実際に公式サイトを見ると、
それぞれ異なる強みを前面に出しています。
例えばFunds公式サイトは、次のようなトップページです。
画像:Funds公式サイトより。オルタナバンク公式サイトでは、
固定利回り4〜12%という数字が大きく打ち出されています。
画像:オルタナバンク公式サイトより。『固定利回り』という言葉は、
利回りが固定という意味であって、
元本が保証されているという意味ではありません。
続いて、業界で実際に何が起きたかを確認します。
もし今、これらの事業者への投資を検討中なら、申し込む前に一度LINEで相談してください。

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②業界で相次いだ行政処分の実例
比較記事も、
『過去に世間を騒がせた事業者の不祥事事例』として、
いくつかの行政処分の実例に軽く触れています。
ここでは、金融庁の公表資料で1つずつ確認します。
最も知られているのが、maneo(マネオ)マーケット株式会社の事例です。
金融庁は2018年7月13日、maneoマーケットに対して業務改善命令を発出しました。
画像:比較記事に掲載されていた図解より(朝日新聞の報道を基にしたものと注記されていた)。“引用
当社においては、法令上、虚偽表示等の禁止行為が規定されているにもかかわらず、ファンド資金の使途等の確認を甲社の関係会社に一任し、甲社における資金管理の実態や資金の使途を把握できる管理態勢を構築していない
出典証券取引等監視委員会「maneoマーケット株式会社に対する検査結果に基づく勧告について」(2018年7月6日)
maneoマーケット自身が資金を横領したわけではありません。
貸付先の関係会社が募集目的と異なる使途に資金を支出していたのに、
それを確認できる管理体制を築いていなかったことが、処分の理由です。
同じ時期、他にも複数の事業者が金融庁から行政処分を受けています。
金融庁が公表した主な行政処分(ソーシャルレンディング関連)
- みんなのクレジット株式会社
- 2017年3月30日、業務停止命令等の行政処分
- ラッキーバンク・インベストメント株式会社
- 2018年2月20日に証券取引等監視委員会が行政処分の勧告、2019年3月14日に金融庁が登録取消及び業務改善命令
- 株式会社エーアイトラスト
- 2018年12月14日、行政処分(登録取消等と報じられている)
処分の詳細は、金融庁「みんなのクレジットに対する行政処分について」、金融庁「ラッキーバンク・インベストメントに対する行政処分について」、金融庁「エーアイトラストに対する行政処分について」で、それぞれ確認できます。
ここまでで4社です。
比較記事の推薦5社とは、ここでは重ならないように見えます。
『昔の話』で終わらせず、
運営会社の名前まで確認する。
これが、次の章で効いてきます。
ここまでの行政処分は、
『昔、別の業者で起きたこと』に見えるかもしれません。
もし気になる事業者や案件があれば、契約前に一度LINEで送ってください。

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③推薦5社自身の登録・処分歴を確認する
ここからが、この記事の本題です。
比較記事は、上記の行政処分一覧を『注意すべきリスク』の章で紹介していました。
その一覧表を、もう一度見てみます。
画像:比較記事に掲載されていた行政処分一覧の図より(金融庁まとめ、との注記あり)。この一覧表には、
日本クラウド証券株式会社が業務改善命令として載っています。
そして日本クラウド証券株式会社こそ、
比較記事が『テーマ性・社会貢献重視型』として推薦していたクラウドバンクの運営会社です。
編集部が金融庁の公表資料を確認したところ、
日本クラウド証券株式会社には2度、行政処分に関わる事実が確認できました。
“引用
平成27年7月10日から平成27年10月9日までの間、匿名組合の出資持分の募集の取扱い業務のうち、新規の勧誘を伴う業務を停止
出典金融庁「日本クラウド証券株式会社に対する行政処分について」(平成27年7月3日)
クラウドバンク事業そのものが、2015年に新規勧誘停止(3ヶ月間)の処分対象になっていたということです。
同社はこの処分について、公式サイトで自ら公表しています。
“引用
当初から営業者報酬を還元する意思はなく、顧客に対して、手数料等の還元を一切行っていない
出典証券取引等監視委員会「日本クラウド証券株式会社に対する検査結果に基づく勧告について」(2017年6月2日)
2017年は、
『特別目標利回り6.5%』のように手数料還元をうたう広告表示が実際には行われていなかったとして、証券取引等監視委員会が行政処分を求める勧告を行いました。
比較記事自身が引用する行政処分一覧にも、日本クラウド証券は「業務改善命令」として記載されています。
『処分歴のある業者の一覧』と、
『おすすめの5社』が、
同じ会社を指していることに、
比較記事は触れていません。
誤解のないように書きます。
日本クラウド証券株式会社(クラウドバンク)は、現在も第二種金融商品取引業の登録を維持して事業を続けています。
登録取消ではなく、業務改善命令・業務の一部停止という処分です。
各社の公式サイトによれば、LENDEX(関東財務局長(金商)第2460号)、Funds(同第3103号)、オルタナバンク(SAMURAI証券)(同第36号)、AGクラウドファンディング(同第3272号)、クラウドバンク(日本クラウド証券)(同第115号)は、いずれも第二種金融商品取引業の登録を公表しています。
ただし、登録番号があるから安全とは限りません。
“引用
業者登録があっても、金融庁や財務局が、その業者の信用力等を保証するものではありません
出典金融庁「ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください」
金融庁自身が、
登録と信用力は別のものだと明言しています。
高利回りの説明だけで判断しないよう、
金融庁のこのページにも目を通しておくことをおすすめします。
『登録している』は、
『届け出をした』という意味です。
『安全』とは、私は読みません。
自分が検討している事業者に、
過去の行政処分歴がないか。
調べ方が分からない、
あるいは他の案件も気になる場合は、LINEで送ってください。

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申し込む前のチェックリスト
ここまでの内容を、
チェックリストの形にまとめます。
1つでも当てはまるなら、
申し込む前に、
もう一度立ち止まってください。
- 金融庁「ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください」を確認していない
- 検討している事業者の運営会社の正式な商号で「行政処分」と検索していない
- 比較記事やまとめサイトの好材料だけを見て、リスクの記載を読み飛ばしている
- 『固定利回り』『目標利回り』という言葉を、元本保証と同じ意味だと思い込んでいる
- 第二種金融商品取引業の登録を、信用力の保証だと誤解している
- 不安な点があっても、家族や消費生活センターに相談していない
まとめ
『ソーシャルレンディングはおすすめできない、は本当か』という比較記事を、
宣伝文句・行政処分の実例・推薦5社自身の登録状況の3つで確認してきました。
最後に、
3つの切り口を、もう一度並べます。
表は左右にスクロールできます
| 切り口 | 内容 | 冷静に見たときの注意点 |
|---|
| ①比較記事の宣伝文句 | 高利回り・上場企業との提携・大手グループ傘下といった安心材料を目的別に紹介 | 行政処分歴には触れていない、または気づきにくい書き方になっている |
| ②業界で相次いだ行政処分 | maneoマーケット・みんなのクレジット・ラッキーバンク・インベストメント・エーアイトラストなど4社超が金融庁から処分を受けた実例がある | 比較記事自身が、この一覧表を引用している |
| ③推薦5社自身の登録・処分歴 | 各社は第二種金融商品取引業の登録を公表しているが、運営会社ベースでは処分歴のある事業者も含まれる | 登録は金融庁による信用力の保証ではない |
- 比較記事は、高利回りや大手グループ提携といった好材料を目的別に紹介している
- 業界では、maneoマーケットなど4社以上が金融庁から行政処分を受けた実例がある
- 推薦5社の1社であるクラウドバンクの運営会社「日本クラウド証券株式会社」にも、2度の行政処分歴がある
- 同社は登録取消ではなく、現在も登録を維持して営業を続けている
- 第二種金融商品取引業の登録は、金融庁による信用力の保証ではありません
- 高利回りの説明だけで判断せず、事業者名で行政処分の有無を確認してから決めてください
確認ポイント
編集長タダシより
「この事業者、大丈夫かな」と思ったら、事業者名・案件名をLINEで送ってください。
金融庁の公表資料と突き合わせて、
確認すべきポイントを一緒に並べます。
相談は無料です。
比較記事や5社の運営者個人を、
詐欺と断定する記事ではありません。
ただ、行政処分歴を確認しないまま、
大切なお金を動かすのは、私ならおすすめしません。