結論を先に置きます
「価格が下がらないデジタル資産」——そんな触れ込みで2019年ごろから広まった リノコイン(RINO/リノプラス) の話です。
結論を先に3つ置きます。
① 勧誘時に「裏にアクサが付いている」と説明されたケースがありますが、アクサ生命は公式サイトで「リノコインとアクサグループとは一切関係ありません」と 名指しで否定 しています。
② 「価格が下がらない」のは市場の力ではなく、現在価格より安い注文を受け付けないシステム によるもの。
これは資産価値の保証ではなく、最後に買った人が売れなくなる構造 です。
③ ブームから数年経った今も、SNS上では 解約・返金ができない という声が続いています。
一方で運営元の香港法人の現在の活動実態は確認できません。
すでに保有している方・過去に勧誘された方・似た案件に誘われている方に向けて、順番に整理します。
「価格が下がらない」という言葉は、かなり強く見えます。
私は、値段の表示より換金できる出口を先に見ます。
注意
「仮想通貨ではない」という説明こそ警戒ポイント
リノコインは公式に「ブロックチェーンを使っていない」「仮想通貨ではなくデジタル資産」と説明されていました。
これは技術の話ではなく、「暗号資産でも金融商品でもない」と言い張ることで規制の外側を装う 、無登録案件の常套句と同じ構図です。
利益を期待してお金を出させるものは、呼び名が何であれ投資です。
まずは3つに分けて見る
表は左右にスクロールできます
| 切り口 | 勧誘時の説明 | 確認できた事実 |
|---|
| ① 商品の仕組み | 「保険会社への投資で利益」「価格が下がらない」「元本の74%保証」 | 安値注文を受け付けない 人為的な価格システム。利息の支払い根拠は確認できず |
| ② 運営の実体 | 「香港の企業RINO PLUS INC.」「アクサと提携」 | アクサグループが 関係を公式否定。登記上の住所は現在別団体が使用とされる |
| ③ 現在 | 「解約すれば返金される」 | SNS上で 返金されない という報告が継続。事件化・行政処分は確認できず |
先に書いておくと、リノコインについて 行政処分や逮捕などの公的記録は、編集部が確認した範囲では見つかっていません。
被害の主張の多くはSNSや動画での発信ベースです。
だからこそこの記事では、当事者の公式発表(アクサ生命)と公的制度(金融庁・資金決済法)だけを土台に、確認できることと推測を分けて書いていきます。
3つに分けると、画面の価格と実際のお金が別物だと分かります。
ここを混ぜると、残高表示だけで安心しやすくなります。
ここまでで、画面に出る価格と、実際に引き出せるお金は別物だという見方を置きました。
「自分が持っている残高は、本当に現金にできるのか」——そこが気になり出したら、保有している案件の画面やメッセージをLINEで見せてください。

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① 商品の仕組み——「下がらない価格」の正体
支持者向け資料にあった「リノの利息が高い3つのポイント」。香港・シンガポール・スイスといった地名で「それっぽさ」を出す のは海外投資系案件の定番です(画像:リノコイン紹介資料より)。公式サイトや支持者ブログの説明をまとめると、リノコインの建て付けはこうです。
① 出資者はRINO PLUS INC.にお金を出し、デジタル資産「RINO」を受け取る
② 集めた資金で海外の保険商品を購入し、保険会社が運用する
③ RINOは専用プラットフォームで売買でき、現在価格より安い注文は受け付けない
この③が最大のポイントです。
「下がらない価格」と聞くと安全に見えますが、実態は逆です。
普通の市場では、売りたい人が増えれば価格が下がり、どこかで買い手が現れます。
安値の注文を system 側が禁止すると、価格は下がらない代わりに「買い手がいない」状態になる。
つまり、価格表示は高いまま、誰にも売れない——画面の数字と換金できるお金が切り離される わけです。
さらに「元本の74%が保証される」という解約条件も語られていましたが、その解約自体が応じてもらえないという声が続いているのは後述の通りです。
「下がらない」「保証される」という言葉が出てくる投資商品は、その仕組みを自分の言葉で説明できるか試してみてください。
説明できないなら、買うべきではありません。
下がらない設計は、価値が守られている証明ではありません。
売りたい時に買い手がいるかを見ないと、お金としては判断できません。
海外取引所に存在する仮想通貨「RINO」のチャート。本家リノコインとは別物の便乗トークンとみられます。名前が同じだけの通貨を「あのリノコインが上場した」と誤認させる二次的なリスクもあります(画像:仮想通貨価格情報サイトより)。「下がらない価格」は安全の証ではなく、売りたい時に買い手が消える仕組みだと見てきました。
同じ理屈で勧誘を受けていて当てはまるか不安なときは、ひとりで悩まず、勧誘の説明文や資料をそのまま送ってください。

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② 運営の実体——香港法人を追いかける
RINO PLUS INC.の公表情報(公式サイト・資料ベース)
- 会社名
- RINO PLUS INC.(RINO PLUS LIMITEDの表記も)
- 所在地
- 香港・観塘のビル29階(レンタルオフィスとされる)
- 設立
- 2018年(公式サイト記載)
- 公式サイトの更新
- 2019年ごろから停止
- 金融商品取引業の登録
- 確認できず(2026年6月11日時点)
所在地とされた香港のビル。レンタルオフィスで、現在は別の団体の事務所になっている とされます。海外住所は「実在するビル」でも「実在する事業所」とは限りません(画像:Googleストリートビューより)。運営会社RINO PLUS INC.は、2018年にサーフィン大会のスポンサーになるなど派手なPRで知名度を上げた後、2019年を最後に公式サイトの更新が止まっています。
代表者の名前は公式サイトにすら載っておらず、確認できるのは商標登録資料くらいです。
そして決定打が、2022年4月の アクサ生命による注意喚起 です。
勧誘の現場では「香港のアクサ生命が裏に付いている」という説明が使われていたとされますが、アクサ生命の公式ページには今もこう明記されています。
「リノコインとアクサグループとは一切関係ありません。」
日本法人だけでなく アクサグループ全体として関係を否定 している点が重要です。
提携をうたわれた側の企業が公式に否定した時点で、勧誘トークの根幹は虚偽だったことになります。
なお、金融庁の無登録業者警告リストに「RINO」「リノプラス」の名称は2026年6月11日時点で確認できませんでした。
ただし金融庁は無登録業者全般について「投資者等の保護のための態勢が確保されているか当局では確認できず」と警告しており、リストに載っていない=安全ではありません。
会社名を変えながら活動する業者には、警告の出しようがないからです。
海外法人の名前が出てくると、確認の難易度が一段上がります。
私は、所在地や連絡先よりも継続して対応できる実体を見ます。
ロゴの商標登録資料。代表者の名前が確認できる数少ない公的痕跡 です。逆に言えば、それ以外の事業実態を示す記録がほとんど見つかりません(画像:商標登録公開資料より)。「裏に大手が付いている」という説明が、当の企業に公式否定されている例を確認しました。
名前を聞いた企業が本当に関わっているのか、自分で見分けるのは難しいものです。
お金を動かす前に、無料で一緒に確かめましょう。

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③ 現在の状況——返金されないまま、案件だけが姿を変える
リノコインは2022年の注意喚起以降、新規の勧誘は下火になったとみられます。
問題は 過去に買った人への返金が進んでいない ことです。
SNS上では「解約を求めても曖昧な返事しか返ってこない」「連絡先すら分からなくなった」という報告が、2025年〜2026年になっても続いています。
また、勧誘に関わったとされるグループは 別の投資案件(社員権ファンドや海外不動産系)でも名前が挙がっており、同じ人脈が商品名を変えて活動を続けている可能性が指摘されています(推測:SNS上の被害報告ベース)。
ここで制度の確認をひとつ。
資金決済法は「暗号資産交換業は、内閣総理大臣の登録を受けた者でなければ、行ってはならない」と定め、違反には罰則があります。
リノコインが「仮想通貨ではない」と強調していたのは、この規制を避ける意図があった と見るのが自然です。
また消費者庁・金融庁・警察庁の連名注意喚起は「暗号資産の交換と関連付けて投資を持ち掛け、トラブルとなるケースが増えています」と警告しており、国民生活センターに寄せられる暗号資産関連の相談も年間数千件規模で続いています。
「デジタル資産」「トークン」という言葉が出てきたら、この相談件数の多さを思い出してください。
時間が経っても返金の声が残る案件は、過去の話として流せません。
同じ型が名前を変えて出てくる前提で見た方がいいです。
注意
保有中・被害中の方へ——追加のお金は1円も出さない
「解約手数料を払えば返金できる」「別の商品に乗り換えれば取り戻せる」——返金を望む被害者に対して、追加入金を求める二次勧誘 が来るのがこの種の案件の定番です。
返金のために先にお金を払うことはありません。
やり取りの記録を残して、警察相談専用電話 #9110 と消費生活センター 188 に相談してください。
「独自デジタル資産」案件を見抜くチェックリスト
- 「仮想通貨ではない」「金融商品ではない」と規制対象でないことを強調する案件は、その時点で警戒する
- 「価格が下がらない」「元本の◯%保証」という説明は、仕組みを自分の言葉で説明できるまで信用しない
- 「大手企業が裏に付いている」と言われたら、その企業の公式サイト・お客様窓口に直接確認する
- 運営会社の所在地が海外なら、住所の実在ではなく日本の金融庁登録を確認する
- 紹介者が知人・コミュニティ経由でも判断を変えない(口コミ型の勧誘ほど断りにくく、被害が偏在する)
- 公式サイトの更新が止まっている案件には新規・追加とも入金しない
独自コインの説明は、専門用語で強く見せやすいです。
私は、換金場所と運営実体を確認できないなら近づきません。
まとめ|画面の数字は、換金できて初めてお金になる
| 切り口 | 結論 |
|---|
| ① 商品の仕組み | 「下がらない価格」は安値注文を禁止するシステムの産物。買い手が消えれば換金不能 |
| ② 運営の実体 | アクサグループが関係を公式否定。香港法人の現在の活動実態は確認できない |
| ③ 現在 | 返金されない被害報告が継続。同じ人脈による別案件への警戒も必要 |
リノコインの教訓はシンプルです。
画面に表示される評価額は、換金できて初めてお金になります。
価格を運営が決められる閉じたシステムの中では、その数字はいくらでも演出できます。
そして、有名企業の名前は その企業自身に確認するまで信用しない こと。
アクサ生命の公式否定がもっと早く広まっていれば、防げた被害は確実にあったはずです。
画面上の数字は、現金化できて初めて意味を持ちます。
私は、価格表示より引き出せるかどうかを重く見ます。
確認ポイント
「このトークン、大丈夫?」と思ったら
独自トークン・デジタル資産・海外ファンド——名前や仕組みが分かりにくい案件ほど、第三者の目が役に立ちます。
案件名・紹介資料・勧誘LINEのスクリーンショットを送ってください。
編集部が 金融庁登録の有無・運営会社の実体・仕組みの整合性 を公的資料ベースで整理します。
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