結論を先に置きます 仮想通貨投資サイト「Proxtrend(プロクストレンド)」と、その運営を名乗る「Proxtrend Ltd」についての話です。
まずは結論を置きます。
① 関東財務局は2025年6月20日付で、Proxtrend Ltdを 「無登録で金融商品取引業等を行う者」 として警告しました( 関東財務局の公表資料 )。同様の内容は 金融庁の無登録業者一覧 にも掲載されています。
② SBIホールディングスは公式サイトで、 自社代表の名前を騙りProxtrendへの送金を求める偽広告が確認されている と注意喚起しています。
③ サイトが掲げる「コモロ・モワリ島のライセンス」は、 国際的な金融監督機関による認可とは性格が異なる オフショア発行のライセンスです。
『関東財務局が警告を出している』という一次情報が、この記事でいちばん重い事実です。
宣伝文句より先に、そこを見ます。
まずは3つに分けて見る 表は左右にスクロールできます
切り口 ざっくり結論 判断の軸 ① 出金前の費用請求 マネロン審査料・ボーナス40%相当・取引コミッション名目で 追加費用を要求された相談あり 出金前の追加請求 は詐欺の典型手口と一致するか ② 当局の無登録警告 関東財務局・金融庁が無登録業者として公式に警告。 登録業者一覧に名前はない 登録の有無 を金融庁の一覧で確認する ③ なりすまし広告 SBIグループ代表の名を騙る広告が確認されているとSBI公式が注意喚起 発信元が本人・本社かどうか を公式情報で確認する
先に立場をはっきりさせておきます。
本記事は 「Proxtrendは詐欺だ」と断定するもの ではありません。
ただ、 関東財務局が無登録業者として公式に警告している という事実は、送金する前に必ず知っておくべきだ、という整理です。
詐欺かどうかの断定より先に、当局が公的に何と言っているかを見ます。
ここまでで、この案件の全体像を見てきました。
「すでに送金してしまった」「出金できずに追加費用を求められている」場合は、ひとりで抱えなくて大丈夫です。
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① 出金前に費用を要求されたという相談 参考にした情報提供によると、40代男性がSNS広告(著名人の名を騙る偽広告)をきっかけにProxtrendへ登録し、仮想通貨で送金を続けたところ、 出金しようとした際に次の名目で費用を請求された とのことです。
出金時に請求されたとされる費用の内訳(情報提供ベース)
名目1 AML審査(マネーロンダリング防止)に関する審査料
名目2 付与されたボーナスの40%相当分
名目3 取引コミッション 注意
「出金前に追加費用」は典型的な手口と一致
正規の仮想通貨取引所や金融機関が、 マネーロンダリング審査の費用を個人に請求すること は通常ありません。
「勝手に付与されたボーナスの40%を請求する」「出金時に追加の取引手数料を求める」といった対応も、 信頼できる業者では考えにくい ものです。
金融庁も、無登録の海外業者について「出金を拒否されたり、法外な手数料を請求されたりする」リスクを 一般的に注意喚起 しています。 出金前に追加の費用を求める手口は、Proxtrendに限った話ではありません。 出金時に追加費用を要求される暗号資産案件の検証記事 でも、 同じ構造の請求が確認されています 。
『払えば出金できる』という言葉を、僕は信用しません。
次の名目が次々に出てくるのが、この手口の典型です。
② 関東財務局・金融庁による無登録警告 ここがこの記事でいちばん重要な一次記録です 。
関東財務局は2025年6月20日付で、Proxtrend Ltdについて 「無登録で金融商品取引業等を行う者」 として警告を公表しました。
関東財務局の警告(令和7年6月20日)の要点
業者名等 Proxtrend Ltd
所在地又は住所 P.B. 1257 Bonovo Road, Fomboni, Comoros, KM
内容 インターネットを通じて、 店頭デリバティブ取引の勧誘 を行っていたもの
サービス名 Proxtrend、プロクストレンド
登録の有無 日本の金融商品取引業の登録は受けていない 同じ内容は、 金融庁の無登録業者一覧 にも掲載されています。
なお公表資料には「業者名等・所在地又は住所は、勧誘資料等に基づいて記載しており、虚偽の可能性があります」との注記があり、 Proxtrend Ltdという名義自体が実在するかどうかも確認できていません 。
proxtrend.comのWHOIS情報。ドメインの作成日は2024年1月30日で、運営者名義はプライバシー保護代行サービスとなっており実運営者は非開示。(出典:WHOIS.comのドメインルックアップ) ドメインの登録日は2024年1月30日で、関東財務局が警告を出した時点でも運用開始から1年半に届いていません。
運営者名義も プライバシー保護代行サービス となっており、実際に誰が運営しているかは非開示です。
必ずしもドメイン取得から期間が短いことだけで詐欺と決まるわけではありませんが、 登録の有無と運営実態が確認できない ことは、そのまま判断材料になります。
注意
無登録業者との取引は「高リスク」と金融庁も明言
登録のない業者は、金融庁や財務局の検査・監督の対象外 です。
金融庁は無登録の海外所在業者について「投資者等の保護のための態勢が確保されているか当局では確認できない」と 一般的に注意喚起 しています。
トラブルが起きても、日本の当局に相談できる枠組みが使えない点は覚えておいてください。 海外拠点の業者が無登録のまま日本居住者に勧誘するケースは、Proxtrendだけではありません。 KuCoinに出された無登録警告の検証記事 でも、 同様の構図を確認できます 。
『載っている/載っていない』は、確認できる一次の事実です。
僕は、サイトの見た目より先にこの一覧を見ます。
ここまで、当局の無登録警告を見てきました。
「自分が今Proxtrendに預けている資金は大丈夫なのか」と不安になったら、判断を急がず確認しましょう。
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③ SBI代表・北尾吉孝氏をかたる広告 SBIホールディングスは公式サイトで、 自社代表の北尾吉孝氏が「proxtrend.com」を勧めていると偽る広告記事が配信され、送金を求める事例が発生している と注意喚起しています。
“ 引用
SNS上で、弊社代表の北尾吉孝が、投資サイト「proxtrend.com」を勧めていると偽る広告記事を配信し、送金を求める事例が発生しています。
出典 SBIホールディングス公式サイト北尾吉孝氏本人やSBIグループがProxtrendを勧めている事実はありません。 SBI側が「なりすましである」と明確に否定している点は、重要な一次情報です。
Yahoo!知恵袋に投稿された「プロクストレンドという投資会社は詐欺ですか?」という質問への回答。SBI公式サイトの注意喚起ページへのリンクとともに「勝手に名前が使われてると注意喚起されてます」と説明されている。(出典:Yahoo!知恵袋、二次情報) 「プロクストレンドという、投資会社は詐欺ですか?」というYahoo!知恵袋への質問投稿。(出典:Yahoo!知恵袋、二次情報) 注意
著名人・企業を騙る広告は近年急増
国民生活センターは、 SNSをきっかけに著名人を名乗る、つながりがあると勧誘される金融商品・サービスの相談 が、2021年度の52件から2023年度は1,629件へと急増していると 公表 しています。
「有名企業の代表が勧めている」という体裁の広告ほど、 本人・本社の公式情報で裏取りする ことが欠かせません。 SBIグループの名前を騙る広告は、今回が初めてではありません。 FOLIO・SBIグループを装うなりすまし詐欺の検証記事 でも、 同種の事例が確認されています 。
『有名企業の名前が出てくる』ことは、安心材料にはなりません。
むしろ、本人や本社が否定していないかを先に確認します。
「ライセンス保有」の実態 Proxtrend社の公式サイトには、 「Mwali International Services Authority」(コモロ・モワリ島)のライセンスを保有 していると記載されています。
Proxtrend社が公表している会社情報。「Mwali International Services Authorityの認可を受けている」「ライセンス番号BFX2024053」などと記載されている。(出典:Proxtrend社公式資料のキャプチャ) このライセンスは、オフショアで広く発行されている民間の認可制度で、 国際的な金融監督機関のような強制力や監督実態を伴うものではない という分析があります。
実際、コモロ中央銀行は、モワリ島など島嶼機関が発行する認可について「連合内での銀行・金融業務に法的効力を持たない」との趣旨の声明を出したと報じられています(当方では声明原文の直接確認はできておらず、 この点は断定せず慎重に扱います )。
少なくとも、 「ライセンスを保有しているから安心」とは言えない 、という整理にとどめます。
『ライセンス保有』という言葉だけを見て安心するのは早いです。
どの国の、どんな機関のライセンスかまで確認したいところです。
海外の評価サイトでの評価 海外の業者評価サイトでも、 Proxtrendは低い評価を受けています 。ここは口コミと同じ 二次情報 として、参考程度に見てください。
海外の業者評価サイトWikiBitによるProxtrendの評価。「ノンライセンス」「疑わしいライセンス・中リスク」とされ、スコアは1.93/10。(出典:WikiBit、二次情報) 海外の業者評価サイトScamAdviserによるproxtrend.comの評価。Trustscoreは1/100と最低評価。(出典:ScamAdviser、二次情報) これらの評価サイトのスコアは、あくまで民間サービスによる独自算定であり、 公的機関の判断ではありません 。
ただし、①出金前の費用請求の相談 ②当局の無登録警告 ③なりすまし広告という一次情報と、 方向性は一致しています 。
申し込む前に確認したいこと 同じような SNS広告経由の投資案件 に出会ったとき、 最低限ここだけは確認しておきたい 、というポイントです。
① 日本の 金融庁の登録業者一覧 に運営会社の名前があるか ② 金融庁の無登録業者の警告リスト に載っていないか ③ 広告に登場する著名人・企業の名前を、本人・本社の公式サイトで検索し、否定する注意喚起が出ていないか ④ 「マネロン審査料」「税金」「保証金」などの名目で、 出金前に追加費用を求められていないか ヒント
迷ったら「登録の有無」から
細かい広告文句より先に、 日本の金融庁に登録があるか を 見るのが一番確実です 。
登録がない海外業者は、便利そうに見えても トラブル時に頼れる先がない ことを前提に判断してください。
まとめ 最後に、この記事で確認できた事実を整理します。
① 40代男性がSNS広告経由でProxtrendに登録し送金したところ、出金前にマネロン審査料などの名目で追加費用を要求されたという相談が寄せられている。
② 関東財務局は2025年6月20日付でProxtrend Ltdを無登録の金融商品取引業者として警告し、金融庁の一覧にも同内容が掲載されている。
③ SBIホールディングスは、自社代表の名前を騙るProxtrendの偽広告について公式に注意喚起している。
Proxtrendを「詐欺」と断定はしません。ただ、 当局が無登録業者として警告を出し、SBI側もなりすましを否定している という事実は、 送金する前に必ず知っておくべきです 。
広告の見た目や有名企業の名前より、『自分の国の当局が何と言っているか』。
そこを最後のものさしにすれば、大きく踏み外しません。
確認ポイント
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