結論を先に置きます
「2分で930万円」「たった1日で約1855万円」——SNS広告や検索から届く、FXの無料講座『億のマスタープログラムFX』の話です。
講師は奥谷隆一氏、運営は株式会社Logical Forexとされています。
まず結論から。
私なら、この無料講座には登録しません。
理由は3つです。
① 広告の利益実績は、証拠金の規制を踏まえると 個人が再現できる水準ではありません。
② 運営会社は国税庁の法人番号で実在が確認できる一方、旧社名からの変更履歴があります。
③ 講師の経歴には 数字の矛盾が指摘されています。
この3点を、公的資料と広告の実物で順番に確認していきます。
結論だけ先に言うと、僕はこの手の『再現できない実績』を見せる広告が一番苦手です。
数字が大きいほど、まず疑ってかかっています。
確認ポイント
本記事のスタンス
断定はしません。並べて、整理します。判断はあなたがしてください。
実在する企業・個人を「詐欺だ」と事実断定するものではなく、確認できる材料を並べる記事です。
まずは3つに分けて見る
表は左右にスクロールできます
| 切り口 | 広告で言っていること | 確認できた事実 |
|---|
| ① 実績表現 | 「2分で930万円」「1日で約1855万円」 | 取引規模から見て、個人が同じ結果を再現するのは極めて困難 |
| ② 運営会社 | (広告上は目立たない) | 国税庁法人番号で実在を確認。旧社名からの商号変更あり |
| ③ 講師の経歴 | 「投資歴20年」「30年間語らなかった手法」 | 同じプロフィール内で数字が食い違うとの指摘がある |
本記事は、億のマスタープログラムFXで「損をした」という個別の被害を認定するものではありません。
やりたいのは、広告に書かれていることと、公的資料・広告の実物から確認できる事実を分けて並べることです。
こうやって分けると、見るべき場所がはっきりします。
僕は『広告の勢い』より先に、運営者とお金の仕組みを見ます。
① 広告の実績「1日で約1855万円」に必要な資金を検証する
億のマスタープログラムFXの広告には、「2分で930万円」「15連勝で2807万円」といった数字が並びます。
中でも目を引くのが、たった1日のトレードで約1855万円という取引履歴です。
ここで使われているのは 100ロット(1000万通貨) という取引量だと確認できます。
広告に掲載されている実績画面。取引数量は100.00(100ロット)で統一されています(画像:億のマスタープログラムFX広告ページより)。この規模の取引に、実際どれだけの資金が必要になるのか。
日本の個人向け店頭FX取引には、日本金融先物取引業協会が解説する証拠金規制があります。
2011年8月以降、個人のFX取引は取引額(想定元本)の4%以上の証拠金を預けることが義務付けられています。
これは、いわゆる「レバレッジ上限25倍」の規制です。
この規制にあてはめると、1000万通貨(100ロット)を建てるには、
為替レートにもよりますが 数千万円単位の証拠金 が必要になる計算です。
例えば1ドル150円のときにドル円で1000万通貨を建てる場合、
想定元本は約15億円、必要証拠金はその4%で 編集部の試算では約6,000万円 です。
手元資金30万円で同じ取引をしようとしても、建てられるロット数はごくわずかで、広告のような利益額にはなりません。
確認ポイント
分析マン的メモ
「勝率」や「手法」の話の前に、そもそもその取引量を動かせる資金があるかが先です。
『簡単そう』と『同じ結果を再現できる』は、混ぜないでおきましょう。
証拠金の規模を見て「自分には関係ない話」と感じても、
次に気になるのは「この会社は本当に大丈夫なのか」だと思います。
公式サイトを見ただけでは分からない点があれば、ひとりで判断せずLINEで聞いてください。

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② 運営会社「株式会社Logical Forex」の実態
億のマスタープログラムFXの特定商取引法の表記を確認すると、販売業者は株式会社Logical Forex、運営責任者は工藤総一郎氏、所在地は東京都墨田区錦糸一丁目2番1号と記載されています。
億のマスタープログラムFXの特定商取引法に関する表記(画像:億のマスタープログラムFX案内ページより)。この会社が実在するかどうか、国税庁法人番号公表サイトで確認しました。
法人番号5011101065281、現在の所在地は東京都墨田区錦糸1丁目2番1号——特商法表記と一致します。
ただし、変更履歴には旧社名「グローバル・ロイズ株式会社」が記載されています(令和2年7月21日に商号変更)。
国税庁法人番号公表サイトで確認した株式会社Logical Forexの情報(画像:国税庁法人番号公表サイトより。2026年8月21日取得)。社名を変えていること自体は違法でも珍しいことでもありません。
ただ、過去の社名で検索すると別の評判が見つかることがある、というのは知っておいて損はないです。
同社は「クロスリテイリング株式会社」の公式サイトで、「クロスグループに所属する法人」と紹介されています。
クロスリテイリングの会社概要に記載された所在地も、株式会社Logical Forexの登記上の所在地と一致しています。
また、金融庁が公表する「無登録で金融商品取引業を行う者」の一覧を確認したところ、
2026年8月時点で「株式会社Logical Forex」「グローバル・ロイズ」「クロスリテイリング」いずれの名称も掲載は確認できませんでした。
ただし、これは無登録業者リストに載っていないという事実の確認にとどまり、金融商品取引業の登録そのものを持っているかどうかとは別の話です。
金融庁は、金融商品取引業を行う業者はすべて内閣総理大臣への登録が必要だとしています。
無料講座の先で投資助言や資金の運用にあたる勧誘を受けた場合は、この登録の有無を確認することをおすすめします。
運営会社の法人情報や商号変更を確認する視点は、他の案件でも同じように使えます。
村田正志のFX講座(村田FX)の評判は?「勝率100%・月収1億円」と運営会社を公的資料で検証でも、旧社名からの変遷を国税庁の資料で突き合わせています。

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③ 講師「奥谷隆一」の経歴と過去の商材
広告に登場する講師の奥谷隆一氏は、過去にも複数のFX商材に関わっていると報じられています。
第三者の検証サイトでは、公式プロフィール内で「投資歴20年」と「30年間、誰にも語らなかった手法」という記載が同居しているという指摘があります。
これは編集部が一次資料で確認できた事実ではなく、複数の第三者検証記事が共通して指摘している内容として紹介します。
登録に使われるLINE公式アカウント。取得時点の友だち数は345人でした(画像:億のマスタープログラムFX案内LINEより)。口コミ(二次情報)では、奥谷氏が過去に案内した別のFX商材について、集団訴訟に向けた動きが報告されているという情報も見られます。
ただし、これは私が一次資料で裏を取れていない報道ベースの情報です。
過去の商材名で検索し、同じ講師名で別の評判が出てこないかを確認しておくと安心材料になります。
無料の入口から高額プランへ誘導される構造は、他の案件でも共通しています。
遠山塾・遠山流トレード(東大流FX)は怪しい?「200万円→4億円」の実績表示と無料テキストの仕組みを検証でも、無料テキストの先にある仕組みを整理しています。
『天才トレーダー』『30年間語らなかった』——肩書きが大きいほど、僕は経歴の一次資料を探します。
見つからない時点で、判断は保留にします。
講師個人の経歴は、公式サイトの情報だけでは裏取りが難しい部分です。
案件名・講師名・LINEのスクリーンショットがあれば、一緒に材料を並べます。

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申し込む前のチェックリスト
億のマスタープログラムFXに限らず、同じタイプの無料FX講座に登録する前に確認しておきたい項目です。
同じ視点は、EA(自動売買)を使う案件でも共通しています。
【注意喚起】EA(FX自動売買)を使う前に確認すべきは「指定される証券会社」|出金トラブルを避ける順番でも、登録状況を先に確認する重要性を整理しています。
- ① 広告の利益実績を出すのに必要な資金(証拠金)を、自分の手元資金と比較したか
- ② 特定商取引法の表記に、会社名・所在地・返金条件が明記されているか
- ③ 運営会社を国税庁の法人番号公表サイトで検索し、実在と社名変更の履歴を確認したか
- ④ 金融庁の登録業者検索・無登録業者リストで、案内された会社名を確認したか
- ⑤ 「勝率」「月収」より先に、講師の経歴を裏付ける一次資料があるか確認したか
- ⑥ 不安な点があれば、入金前に無料相談窓口へ確認したか
まとめ
表は左右にスクロールできます
| 切り口 | 広告で言っていること | 確認できた事実 |
|---|
| ① 実績表現 | 「2分で930万円」「1日で約1855万円」 | 証拠金規制を踏まえると、個人が同じ結果を再現するのは極めて困難 |
| ② 運営会社 | (広告上は目立たない) | 国税庁法人番号で実在を確認。旧社名「グローバル・ロイズ株式会社」からの変更履歴あり。無登録業者リストへの掲載は確認できず |
| ③ 講師の経歴 | 「投資歴20年」「30年間語らなかった手法」 | 経歴の数字が食い違うとの指摘あり。過去の商材を巡る報告も報道ベースで存在 |
億のマスタープログラムFXは、運営会社・講師とも実在は確認できます。
ただし、広告の利益実績を個人が再現するのは、証拠金の規制を踏まえると現実的ではありません。
詐欺と断定できる公的証拠は確認できませんが、安心しておすすめできる材料も見当たらないというのが、編集部の結論です。
確認ポイント
「この無料講座、大丈夫かな」と思ったら
案件名・URL・LINEで届いた案内のスクリーンショット、どんな材料でも大丈夫です。
編集部の目で、広告の実績表現・運営会社の実体・登録の有無を、公的資料に当たって整理します。
「強い数字の印象」ではなく「固い事実」で判断するお手伝いをします。
相談料は無料です。