結論を先に置きます
結論からいきます。
SNS上や検索結果に表示される、
「前澤友作、放送後に逮捕」という見出しの記事広告——
実はこれ、前澤友作氏になりすました偽の広告です。
報道番組のような画面で日銀総裁とやり合い、そのあと逮捕される、という作り話が展開され、
最終的に『Nototalk Capital(ノートーク キャピタル)』という、
AIが暗号資産を自動売買して利益を出すと謳う投資サイトへ誘導されます。
まず結論です。
Nototalk Capitalには登録・入金しないでください。
理由は3つあります。
① 前澤友作氏が逮捕された事実はなく、
前澤氏本人とカブアンド公式サイトが「完全な詐欺であり無関係」と公式に否定しています。
② サイトが謳う「AIによる自動売買」の中身は説明がなく、
入金前から「見込み残高」が増えていく演出が用意されているだけです。
③ 運営会社の名称・所在地・出金方法は、
広告にもサイト本体にも一切記載がありません。
この3点を、公式声明と広告・サイトの実物スクリーンショットで順番に確認していきます。
『放送後に逮捕』というテロップ、
私はこの時点でまず疑います。
本物の報道番組が、こんな見出しの出し方をすることはありません。
まずは3つに分けて見る
こういう広告は、全部をまとめて『怪しい/怪しくない』で見ると、
判断を誤りやすくなります。
そこで、①なりすまし広告・②サイトの仕組み・③運営実態の3つに分けて見ていきます。
どこが事実で、どこに注意すべき点があるのかが、はっきりします。
3つに分けると、危ない場所がはっきり見えてきます。
私は広告の見た目より、公式声明・仕組みの説明・運営者情報を先に見ます。
表は左右にスクロールできます
| 切り口 | 広告・サイトで言っていること | 確認できた事実 |
|---|
| ①なりすまし広告 | 報道番組風の画面で「前澤友作氏、放送後に逮捕」と見出しを出す | 前澤氏本人・カブアンド公式が「完全な詐欺であり無関係」と公式に否定。逮捕の事実は確認できず |
| ②サイトの仕組み | 「AIが暗号資産を24時間監視し自動売買する」と説明 | 運用のロジックは非公開。入金額を入れると仕組みの説明なしに「見込み残高」が表示される演出あり |
| ③運営実態 | 登録フォームには名前・電話番号の入力欄のみ | 運営会社名・所在地・出金方法の記載なし。金融庁の無登録業者リストにも名称確認できず |
ここまでで、3つに分けて見ると注意すべき場所がはっきりする、というところまで来ました。
でも、『自分が見ている広告は本物?』と迷うこともあると思います。
見ている広告のスクリーンショットを送ってもらえれば、一緒に確認できます。

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①なりすまし広告:前澤友作氏の「逮捕」はデマ
まず、広告そのものを見ていきます。
表示されるのは、報道番組のニュース速報のような見た目のページで、
見出しには「前澤友作、放送後に逮捕」といった趣旨の文言が使われています。
本文は、前澤氏が番組内で日銀総裁と議論を交わし、
そのあと何らかの容疑で逮捕された、という作り話になっています。
カブアンド公式サイトに掲載された前澤友作氏本人の声明(2025年8月6日)。「完全な詐欺であり、僕やカブアンドとは一切関係ありません」と明記されています(画像:カブアンド公式サイトより)。この見出しについて、前澤友作氏が逮捕された事実は確認できません。
前澤氏が立ち上げた『カブアンド』の公式サイトには、2025年8月6日付でこう書かれています。
「最近、各種SNS上で『前澤友作』や『カブアンド』を騙る偽の動画広告が急増しています。
これらは完全な詐欺であり、僕やカブアンドとは一切関係ありません」
(カブアンド公式サイト「前澤やカブアンドを騙る『偽の動画広告』について注意喚起とお願い」より)
同じ投稿の中では、
僕の顔や音声をAIで合成したような動画が使用されていることにも触れており、
削除要請を繰り返してもいたちごっこが続くため、
Meta社を相手取った訴訟も進めていると説明しています。
日本経済新聞によると、この訴訟は2024年5月に提起され、
2024年7月には東京地裁で第一回の口頭弁論が開かれています。
本人がここまではっきり『完全な詐欺』と言い切っている広告に、
良い結末は期待できません。
日本ファクトチェックセンター(JFC)も、
前澤氏になりすましたAI生成の偽広告について検証記事を出しており、
前澤氏本人のXでの注意喚起——
「以下の動画は、すべて個人情報や金銭を騙し取ろうとする極めて悪質な詐欺です。
絶対にクリックしたりLINE登録しないでください」
(日本ファクトチェックセンター「実業家・前澤友作氏になりすましたAI偽広告に注意」より)
——を引用したうえで、
「著名人が『必ず儲かる』などと呼びかけるソーシャルメディアの投稿はほぼ詐欺だと考えて良い」
と注意を呼びかけています。
※JFCが検証したのは別の広告(LINE登録を促す偽広告)ですが、
前澤氏本人・JFCとも「なりすまし広告は詐欺まがいと考えてよい」という立場を明確にしている点は、
Nototalk Capitalの広告にも重なります。
前澤友作氏をかたるSNS型投資詐欺で、受け子とみられる男2人が2026年1月に逮捕されたと報じるニュース記事(画像:UHB北海道文化放送より)。前澤氏になりすます手口は、実際に逮捕者を出すところまで社会問題化しています。
UHB北海道文化放送によると、2026年1月、
「前澤友作さんが株を配る」というSNSの投稿をきっかけに、
60代女性から現金600万円をだまし取ろうとしたとして、
千葉市の24歳の男と横浜市の中国籍31歳の男が詐欺未遂容疑で逮捕されました。
(UHB「【サギ速報】『前澤友作氏が株配る』とウソの投資詐欺話」より)
※この事件はNototalk Capitalとは別の手口ですが、
前澤氏の名前を使った投資詐欺が、警察が動くほど実際に発生していることを示す事例です。
名前を使われた本人ではなく、
使った側が捕まっている——ここは、はっきり分けて見る必要があります。
広告の中身がデマだと分かったところで、
次はサイト本体の仕組みを見ていきます。

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②AI自動売買の仕組みと画面の演出
Nototalk Capitalの公式サイトを開くと、
こう書かれています。
「Nototalk Capital 公式ウェブサイトへようこそ——スマートな暗号資産投資への扉です。
当社の先進的なAIがブロックチェーンデータと市場動向を24時間監視し、
利益を最大化しリスクを最小限に抑えるために自動的に投資を管理します」
(Nototalk Capital 公式サイトより)
Nototalk Capitalの公式サイト。運用のロジックは説明されないまま、名前の入力欄が置かれています(画像:Nototalk Capital公式サイトより)。「AIが監視し自動的に管理する」という説明はありますが、
どんな根拠で売買を判断しているのかは、どこにも書かれていません。
それどころか、登録フォームの近くには、
入金額と期間を選ぶだけで「見込み残高」が表示される計算画面が用意されています。
「見込み残高はいくらですか?」と表示される計算画面。お金を入れる前から数字が動くだけの演出で、増える保証はありません(画像:Nototalk Capital公式サイトより)。この数字は、実際の運用結果ではなく、ただの計算表示です。
入金してもいない段階で利益の期待感だけを持たせる作りになっている点は、
冷静に見ておく価値があります。
お金を入れる前から『増えます』という数字が出てくる時点で、
私はかなり不自然だと感じます。
サイトの一番下には、細かい文字でこう書かれています。
「約70%のトレーダーが損失を経験しており」
「掲載されているビデオはプロモーション用であり、出演者はすべてプロの俳優です」
「当ウェブサイトで言及されているNototalk Capitalおよびその他のブランド名は、
プロモーション目的でのみ使用されており、特定の企業やサービスプロバイダーを表すものではありません」
(Nototalk Capital 公式サイトの注意書きより)
サイト最下部の注意書き。出演者はすべてプロの俳優であること、日本の金融庁が規制していることまで、サイト自身が認めています(画像:Nototalk Capital公式サイトより)。同じ注意書きには、こうも書かれています。
「日本の金融庁(FSA)は厳格な規制を施行しており、
日本の消費者を対象とした差金決済取引(CFD)および関連するプロモーション資料の
販売、マーケティング、または配布を禁止しています」
(Nototalk Capital 公式サイトの注意書きより)
禁止されていると自分で書きながら、日本語のサイトで日本人に勧誘している状態です。
しかも、同じ注意書きのすぐ下には、
「マネージャーからの電話を忘れずに受けてください!」
という一文が続いています。
登録した時点で、電話がかかってくることを前提に作られたサイトだと分かります。
『出演者は俳優』『金融庁は禁止している』——
自分でここまで書いているサイトを、私は信用しません。
サイトの仕組みが分かったところで、
最後に運営実態を確認します。

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③運営実態:会社名も出金方法も分からない
Nototalk Capitalの運営会社の名前・所在地・電話番号・特定商取引法にあたる表記は、
サイトのどこにも見当たりませんでした。
入金の方法(クレジットカード・銀行振込など)は案内されている一方で、
増えたお金をどうやって受け取るのかは、一切説明がありません。
入金の入口だけが開いていて、出口が閉じている状態です。
日本で投資や暗号資産に関わる仕事をするには、
金融庁への登録が必要です。
私が金融庁の無登録業者一覧を確認した範囲では、
この名称は見当たりませんでした。
リストに無いことは、安全という意味ではありません。
まだ把握されていないだけとも考えられます。
金融庁は、「それ詐欺です!SNS上の投資勧誘にご注意ください!」の中で、
「SNS上の投資詐欺が疑われる広告等に関する情報受付窓口」を設けていると説明しており、
怪しい広告は自分で通報できる仕組みも用意されています。
注意
運営会社の実在は自分でも確認できます
特定商取引法は、通信販売事業者に対して氏名(名称)・住所・電話番号の表示を義務付けています。
表記が見当たらないこと自体がすでに注意サインです。
表記があっても、法人番号や電話番号が実在するかまで自分で確認することが大事です。
登録すると、その先で何が起きるのか——
サイト自身が「マネージャーからの電話を忘れずに」と書いているとおり、
知らない番号から電話がかかってくることを前提にした作りです。
国民生活センターは、遠隔操作アプリを悪用した投資勧誘について、
「『遠隔操作アプリ』は絶対にインストールしないようにする」
と注意を呼びかけています。
電話の担当者から、取引のためと言われて遠隔操作アプリを求められても、
入れないでください。
スマホやパソコンの画面をすべて見られ、
銀行やカードの操作も横から進められてしまいます。
電話がかかってくること自体を、
サイト側があらかじめ前提にしている——
この作り方が、もう十分に不自然です。
運営実態まで見えてきました。
すでに電話を受けてしまった、登録してしまったという方は、
その状況をそのままLINEで教えてください。

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前澤氏なりすまし詐欺はどこまで社会問題化しているか
著名人の名前や写真が投資勧誘の広告に使われる背景を、
ここで見ておきます。
国民生活センターは、SNSをきっかけとした著名人を名乗る投資トラブルについて、
「SNSをきっかけとして、著名人を名乗ったり、
つながりを示したりして投資を勧誘されたという消費者トラブルが急増しています」
と報告しており、
相談件数は2021年度52件から2023年度には1,629件へと急増し、
約9.6倍になったとしています。
平均契約購入金額は687万円にのぼるとも報告されています。
確認ポイント
分析マン的メモ:本物の話法ほど、細部で崩れる
「AIが自動で運用」「見込み残高」という言葉ほど、
それっぽく聞こえてしまいます。
ただ、仕組みの説明・出金方法・運営者情報の3つを1つずつ確認すると、
作り込まれた広告ほど、どこかに空欄が残っているものです。
これってシンプルなんですよ。
電話がかかってきたときの動き方
『Nototalk Capitalに登録した』『知らない番号から電話が来た』ときの、
落ち着いた動き方を順番にまとめます。
こういう電話は、話しているうちに入金まで進んでしまいます。
急かされたら、判断ではなく距離を取る場面です。
- 1「AIが自動で運用」という説明でも、仕組みの中身が書かれているかを確認する
- 2入金前に「見込み残高」だけが増える演出が出てきたら、まず一回手を止める
- 3運営会社名・所在地・電話番号が特定商取引法の表記として書かれているかを確認する
- 4書かれていても、電話番号や法人番号を自分で検索して実在を確かめる
- 5担当者から遠隔操作アプリ(AnyDeskなど)を求められても、絶対に入れない
- 6不安なら、入金する前に消費生活センター(電話188)や家族に相談する
注意
急かされたら、それ自体がサイン
『マネージャーからの電話を忘れずに』と急かされるほど、立ち止まる価値があります。
金融庁は「詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!」で、
断定的な利益の強調や出金トラブルへの注意を呼びかけています。
断定や『必ず』が出てきたら、まず疑ってよい場面です。 チェックリスト
迷ったときに、ひとつでも当てはまったら立ち止まる目安です。
チェック項目が多いのは、面倒にするためではありません。
大きなお金を払う前に、ここで止まれるかが大事です。
- 前澤友作氏など著名な実業家の名前や写真が、逮捕・訴訟といった見出しの広告に使われている
- 「AIが自動で運用」といいながら運用ロジックの説明がない
- 入金前から「見込み残高」だけが増える演出が用意されている
- 運営会社の名称・所在地・出金方法が広告にもサイトにも書かれていない
- 登録後すぐに電話がかかってくる、または「マネージャーからの電話を忘れずに」と念押しされる
- 担当者から遠隔操作アプリ(AnyDeskなど)のインストールを求められる
まとめ
最後に、3つの分け方でもう一度おさらいします。
誰かを詐欺だと断定する必要はありません。
ただ、私ならこの広告には登録も入金もしません。
| パート | 結局どうだった? |
|---|
| ①なりすまし広告 | 「前澤友作氏、放送後に逮捕」は事実無根。前澤氏本人・カブアンド公式が『完全な詐欺』と公式に否定 |
| ②サイトの仕組み | AI自動売買の運用ロジックは非公開。入金前から『見込み残高』だけが増える演出あり |
| ③運営実態 | 運営会社名・所在地・出金方法の記載なし。金融庁の無登録業者リストにも名称確認できず |
もう一度だけ。
Nototalk Capitalの運営者が詐欺だと断定できる公的な証拠までは、確認できていません。
ただ、前澤友作氏になりすまし、本人が『完全な詐欺』と否定している広告であること、
入金前から利益の期待感だけを持たせる演出があること、
そして運営会社の名称も出金方法も確認できなかったこと、
この3つは、はっきりと確認できた事実です。
有名な実業家の名前を見ること自体は、悪いことではありません。
大事なのは、その名前と、目の前の広告の中身を、
きちんと切り離して見ることだと思います。
確認ポイント
判断に迷ったら
『この広告、大丈夫かな』と迷ったときは、
入金する前に第三者に相談するのが安全です。
編集部のLINEでも、気になった広告の見方を一緒に整理できます。