結論を先に置きます
仮想通貨「ノアコイン(NOAH COIN)」と、広告塔を務めた泉忠司氏についての話です。
まずは3行で結論を置きます。
① ノアコインは「フィリピンの社会問題を解決する世界初の暗号通貨」「国家プロジェクト」として宣伝され、2017年のプレセールで 約40億円規模の調達があったと報じられて います(金額は情報源によって幅があります)。
② 一方で、在日フィリピン大使館は2017年3月に「比政府公認ではない」と公式通知を出し、フィリピン中央銀行(BSP)・証券取引委員会(SEC)の調査として 事前販売の権限を与えていない と示しました。
③ 価格はICO後に大きく下落し、唯一ノアコインを扱っていた取引所BtcNextには、日本の金融庁から 無登録の暗号資産交換業として警告 が出ています。
つまり「国家プロジェクト」という看板と、公的記録が示す事実には 大きな開き がある、というのがこの記事の整理です。
投資勧誘を行う業者が登録を受けているかは、金融庁の無登録で金融商品取引業を行う者の一覧で 確認できます 。
強い肩書きほど、その裏づけが公的に取れるかを先に見ます。
僕なら『国家プロジェクト』という言葉だけでは信用しません。
まずは3つに分けて見る
表は左右にスクロールできます
| 切り口 | ざっくり結論 | 判断の軸 |
|---|
| ① 宣伝内容 | 「フィリピン政府公認の国家プロジェクト」「ノアシティ」を前面に、泉忠司氏が広告塔 | 誰が公認したのか を一次資料で確認する |
| ② 当局の見解 | 在日フィリピン大使館が「比政府公認ではない」と公式通知。BSPは事前販売の権限を与えていない | 公的機関の発表 と宣伝文句のどちらを信じるか |
| ③ 価格・取引所 | ICO後に価格が大きく下落。取扱取引所BtcNextに金融庁が無登録警告 | 換金できる実態 があるかを見る |
先に立場をはっきりさせておきます。
本記事は 「泉忠司=詐欺師」「ノアコイン=詐欺確定」 と断定するものではありません。
泉忠司氏は後に「認識の錯誤を招いた」として謝罪し、返金対応を表明したと複数のメディアが報じています。
ただ、公式通知という一次記録が「政府公認ではない」と明言している 事実は、当時の宣伝文句とあわせて知っておくべきだ、という整理です。
詐欺かどうかの断定より先に、公的記録が何と言っているかを見ます。
僕なら、宣伝と一次資料がズレている時点で慎重になります。
ここまでで、看板と公的記録のあいだに開きがあることを見てきました。
「自分が買ったあの案件は大丈夫だったのか」と不安になったら、ひとりで抱えなくて大丈夫です。
手元の資料をもとに、無料でLINEから整理を手伝います 。

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① 宣伝内容と泉忠司氏の広告塔
「世界初の暗号通貨」という看板
ノアコイン公式サイト(noahfoundation.jp)のヘッダー。「フィリピンの社会問題を解決するために誕生する世界初の暗号通貨」 と打ち出していました(出典:NOAH COIN公式サイト)。ノアコインの主な宣伝ポイント(当時)
- コンセプト
- 「フィリピンと日本をつなぐ」「社会問題を解決する世界初の暗号通貨」
- 位置づけ
- 「政財官民が一体となった国家プロジェクト」と表現
- 都市構想
- マニラ湾の埋立計画内に「ノアシティ」を建設
- 値上がり訴求
- 「ICO価格から大きく高騰する」期待を前面に
- 広告塔
- 泉忠司氏 がセミナー・動画で大々的に紹介
確認ポイント
「ノアシティ」とマニラ湾埋立計画について
ノアコインは、都市構想「ノアシティ」をマニラ湾の大規模埋立計画 Horizon Manila(419ヘクタール・3つの人工島) の中に建設する、と宣伝していました。
Horizon Manilaという埋立計画自体はマニラ市政府が関与する 実在のプロジェクト です(Wikipedia: Horizon Manila)。
ただし、「ノアシティ」がその公式計画に組み込まれた・フィリピン政府が認めたことを示す一次文書は確認できません 。
『実在する計画の名前』と『そこにノアシティが公認で入っている』は別の話、として読む必要があります。 ノアコインの宣伝で用いられたマニラ湾埋立計画の図。ISLAND1〜3/419ha と記された Horizon Manila の構想(出典:NOAH COIN公式サイト)。計画自体は実在しますが、ノアシティの公式組込みを示す政府文書は確認できません。泉忠司氏の広告塔としての役割
泉忠司氏を前面に出したICO案内の広告クリエイティブ。「一般向けICOは一切行っておらず、プライベートセール情報を…」 と限定性を強調する訴求が見られました(出典:当該広告クリエイティブのキャプチャ)。泉忠司氏は、セミナーや動画でノアコインを 「政財官民が一体となって取り組んでいるプロジェクト」「国家プロジェクト」 といった言葉で紹介していたとされます。
こうした表現が、多くの人に 「フィリピン政府公認の暗号通貨」と誤認させた 一因になった、と複数のメディアが報じています。
後に泉氏自身が「断定的な言い方が認識の錯誤を招いた」として謝罪し、返金対応を表明したとも報じられています(謝罪文の一次ソースは現在リンク切れが多く、本記事では断定しません)。
注意
「有名人が広告塔」は安心材料ではない
知名度のある人物が前面に立っていると、「あの人が関わっているなら大丈夫」 と感じてしまいがちです。
ですが、広告塔はあくまで 宣伝の役割 であり、案件の中身や当局の認可とは別物です。
誰が紹介しているか、ではなく、誰が公的に認可しているか で判断するのが安全です。
有名人が出ていることと、案件が安全なことは別です。
僕なら、広告塔の知名度ではなく一次資料で判断します。
ここまで、宣伝内容と広告塔の構造を見てきました。
「自分が信じた根拠は、宣伝文句だけだったかもしれない」と気づいたら、それは大事な一歩です。
手元の案内資料を、LINEで一緒に見直しましょう 。

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② フィリピン政府・当局の公式見解
ここが、この案件でいちばん重要な一次記録です。
在日フィリピン大使館は2017年3月14日付で公衆向けの公式通知(Notice to the Public)を出し、ノアコインについて 「フィリピン政府が公認したものではない」 と明言しました。
在日フィリピン大使館の公式通知(2017年3月14日)の要点
- 政府公認の有無
- 国家プロジェクトとして認めていない
- BSP(中央銀行)
- ノア財団・ノアグローバルに事前販売の権限を与えていない
- SEC(証券取引委員会)
- ノアグローバルは債券・証券等の販売に必要な許可を持たない
- 登記住所の実地調査
- 申告された事業所にテナントとして実在を確認できなかった
注意
宣伝文句より、公的通知を上に置く
「国家プロジェクト」「政府公認」という宣伝は、案件側が自分で言っていた言葉です。
一方、「公認ではない」と言っているのは、フィリピン政府の在日大使館という一次の発信元 です。
どちらを信じるかと言えば、当然、公的機関の公式通知のほう 。
この一点だけでも、当時『政府公認だから安心』という理由で買った判断は、根拠が崩れていたことになります。
なお、フィリピン中央銀行(BSP)・SECが単独で出した公式アドバイザリーの原文PDFは現在ページが消えており、本記事では大使館通知を一次資料として引用しています。
日本の金融庁が公表する無登録で金融商品取引業を行う者の一覧には、編集部の確認時点で「ノア」「泉忠司」に該当する記載は 見当たりませんでした 。
つまり、金商法ベースの無登録業者リストに名前が載っている、という事実は確認できていません(この点は誇張せず、そのまま記載します)。
『載っていない』ことも、確認した事実としてそのまま書きます。
僕は、あるものはある・ないものはない、で整理します。
③ 価格の暴落と取引所への警告
投資判断で最後に効いてくるのは、結局いくらで換金できるのか です。
ノアコインは上場直後にICO価格を上回る場面があったものの、その後は長期的に大きく下落したと複数のメディアが報じています。
2019年にはプラチナム社が運営を引き継ぎ、通貨名が 「ノアプラチナム(NOAHP)」 に変わりました。
表は左右にスクロールできます
| 時期 | 報じられている状況 | 見るべきポイント |
|---|
| 2017年 | プレセールで約40億円規模の調達と報道(金額に幅あり) | 調達額の一次開示が乏しい |
| 上場直後 | 一時的にICO価格を上回る高騰 | 高騰は初期の一瞬に偏りがち |
| その後 | 長期的に大きく下落(上場直後比で大幅安と報道) | 換金性が大きく低下 |
| 2019年〜 | ノアプラチナム(NOAHP)へ名称変更 | 通貨スワップ後の実態を確認 |
注意
唯一の取扱取引所に金融庁の警告
ノアコイン(NOAHP)を取り扱っていた取引所 BtcNext に対し、日本の金融庁は2019年12月13日、無登録で暗号資産交換業を行った として警告を出しています(金融庁 暗号資産関係の警告一覧)。
換金の窓口になる取引所が無登録で警告を受けている状況は、「売りたい時に安全に売れるのか」という根本的な不安 につながります。
価格そのものより先に、出口(換金経路)の健全性を見ておくべきでした。 値上がり期待より、安全に換金できるかを先に見ます。
僕なら、取扱取引所が無登録警告を受けている時点で手を出しません。
価格と取引所の話まで来ました。
「今これを持っていて、どうすればいいのか」と迷っている方も多いはずです。
損切りや返金の考え方を、LINEで一緒に整理しましょう 。

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返金・損切りの考え方
ノアコインについては、当時 運営側が返金対応を表明した と複数のメディアが報じています。
ただし、返金の可否・条件は最終的に 購入時の契約内容や運営の現状 によって決まり、本記事の確認時点で『誰でも全額返ってくる』と断定できる一次資料はありません。
すでに大きく値下がりした通貨を持っている場合、追加でお金を入れて取り返そうとする(ナンピン)のは、最も危険な動き です。
注意
「取り返したい」気持ちにつけ込む二次被害に注意
過去に投資で損をした人へ、「返金してあげる」「被害回復を代行する」 と近づく 二次被害(被害回復名目の詐欺) が知られています。
手数料や保証金を先に求めてくる相手は、まず疑ってください 。
返金を考えるなら、まずは公的な相談窓口(消費生活センター 188 など)や、契約書面の確認から始めるのが安全です。
損を取り返そうとする気持ちが、二次被害の入口になります。
僕なら、先にお金を求めてくる『回復代行』は全部断ります。
次の案件で同じ目に遭わないチェックリスト
- 『政府公認』『国家プロジェクト』という言葉 は、公式機関の一次資料で裏づけが取れるか確認する
- 有名人が広告塔 でも、案件の認可状況とは別物として切り離して見る
- 取扱取引所が登録業者か を金融庁サイトで照合する
- 『今だけ』『限定プライベートセール』 の限定性アピールは、即決を促すサインとして警戒する
- 値上がり率の根拠(誰の・どの期間の数字か)を必ず確認する
- 換金できる出口(売り先) があるかを、買う前に調べる
- 少しでも怪しいと感じたら、家族や第三者に相談する時間 を取ってから決める
注意
限定性アピールが出たら一度止まる
「一般には出さない」「今だけのプライベートセール」という 限定性の演出 は、冷静に考える時間を奪うための常套句です。
本当に価値あるものなら、翌日でも翌週でも検討できる はずです。
即決を求められた時点で、一度持ち帰る。
これだけで防げる被害は多いです。
限定・即決を求められたら、その時点で警戒度を上げます。
僕なら、持ち帰って調べる時間を取れない案件は見送ります。
まとめ|看板ではなく一次資料で見る
表は左右にスクロールできます
| 切り口 | ざっくり結論 | 押さえる軸 |
|---|
| ① 宣伝内容 | 「政府公認の国家プロジェクト」「ノアシティ」を前面に、泉忠司氏が広告塔 | 誰が公認したか を一次資料で確認 |
| ② 当局の見解 | 在日フィリピン大使館が「公認ではない」と公式通知。BSPは事前販売の権限を与えず | 公的通知 を宣伝文句より上に置く |
| ③ 価格・取引所 | ICO後に大きく下落。取扱取引所BtcNextに金融庁が無登録警告 | 換金できる出口 の健全性を見る |
ノアコインや泉忠司氏を、ここで全否定したいわけではありません。
ただ、『フィリピン政府公認の国家プロジェクト』という最大の売り文句が、公的通知によって裏づけられていなかった という事実は、とても重要な教訓です。
投資判断は、有名人の名前でも、強い値上がり期待でもなく、『公式機関の一次資料』 で行う。
この習慣は、ノアコインに限らず、これから出てくる新しい案件にもそのまま使えます。
似た構造の事例として、なりすまし広告・著名人を装う投資勧誘の見分け方も合わせて確認しておくと安心です。
ノアコインや泉忠司氏を全否定する話ではありません。
ただ、最大の売り文句が公的に裏づけられないなら、僕は手を出しません。
確認ポイント
「自分が買った仮想通貨・案件、大丈夫だった?」と気になった方へ
公式LPのURL、案内メールのスクショ、契約書面の写真。
どんな材料でも大丈夫です。
編集部の目で、運営の実在・当局の認可・換金経路・口コミの分布 を整理して、判断材料として並べます 。
相談料は 無料 です。