結論を先に置きます 「365日24時間、独自AI『IPS-AI』が0.1秒で自動約定」「資金を運営会社に預けず、自分の取引所口座内で完結する」——國松幸雄氏が代表を務める株式会社グローバルイノベーションが展開するアービトラージ全自動売買ツール『AD2PRO』は、こう説明されています。
まず結論から書きます。
現時点で 「詐欺だ」と断定できる公的な証拠は確認できません 。
ただし、 広告や運用実績の言葉だけで登録するのは、かなり慎重になった方がいい案件 です。
理由は3つ。
① SNSで広まっている「月利30%超」という運用実績を 裏付ける一次情報が見当たらない こと。
② アービトラージという手法自体、取引所の板(注文の厚み)が薄いと、 継続的に大きな利益を出しにくい構造 であること。
③ 運営の株式会社グローバルイノベーションと関連会社の株式会社クラウドナインは、法人としては実在を確認できるものの、 「クラウドナイン」という社名は全国に同名の会社が複数存在 し、公式発信のみで代表者を特定している状態であること。
この3点を、順番に見ていきます。
結論だけ先に言うと、私ならAD2PROには登録しません。
月利30%超のような数字は、アービトラージの仕組みを踏まえると、簡単には出せない数字だと考えています。
まずは3つに分けて見る 表は左右にスクロールできます
切り口 広告・発信で言っていること 冷静に見たときの注意点 ① AD2PROの主張 「365日24時間全自動」「独自AI『IPS-AI』が0.1秒で約定」、月利30%超の運用実績投稿 運用実績を裏付ける一次情報がなく 、 板の薄いアービトラージで継続的な高利益は出にくい構造 ② 口コミ・勧誘導線 SNSでの運用実績投稿、 紹介すれば紹介料が入る仕組み 「ハッキング被害」「セミナーが薄っぺらい」という 否定的な口コミ(二次情報) が複数見られる ③ 運営会社 「経営者・投資家・インフルエンサー」を自称 し、複数の事業(AD2PRO・APOCAリンク等)を展開 株式会社クラウドナイン は同名他社が全国に複数あり、 法人番号での特定 が必須
先に書いておきます。
本記事は、國松幸雄さん個人を「詐欺師だ」と決めつけるものではありません。
やりたいのは、広告や運用実績投稿の言葉と、 公的資料で裏が取れる事実を分けて並べる ことです。
判断材料として、 順番に見ていきましょう 。
広告の言葉と、公的資料で裏が取れる事実は別物です。
私はいつも、この2つを分けてから判断します。
ここまでで、広告の言葉と公的資料は分けて見るべきだと整理しました。
でも、自分が見ている投稿やDMがどこまで本当なのか、ひとりだと判断しづらいですよね。
気になる案件があれば、 無料で編集部に確かめてください 。
投資詐欺検証ラボ LINE相談窓口
①「月利30%超」の実績投稿を検証する AD2PROは、運営会社の説明によれば アービトラージ(裁定取引) を全自動で行うツールです。
複数の取引所間にできるわずかな価格差を利用し、安く買って高く売ることで利益を積み上げる仕組みだと説明されています。
SNS上には、この仕組みで 「会員さんの中には普通に月利30%越えも……」 という運用実績の投稿も見られます。
月利30%超という数字、私は鵜呑みにしません。
取引板が薄ければ、参加者が増えるほど旨味は減っていくはずです。
広告・発信の主張 確認できる事実 「月利30%超」の運用実績 運用実績を裏付ける一次情報は確認できず 、取引所の板の厚みを踏まえると、継続的に同水準の利益を出すのは容易ではないとみられる 「365日24時間、AIが0.1秒で自動約定」 取引の自動化自体は技術的に可能 だが、 価格差(利益の源泉)そのものは市場の需給で決まる
アービトラージで得られる価格差は、通貨ペアや時間帯によって刻一刻と変わり、しかも 取引所ごとの「板」に出ている数量分しか約定できません 。
板が薄い(注文数量が少ない)状態では、大きな金額を動かそうとしても希望の価格で売買しきれず、 利益の絶対額は限られます 。
さらに、AD2PROのような全自動ツールが世界中の利用者に広まるほど、同じ価格差・同じ板を奪い合う参加者が増えることになり、 一人あたりの取り分は薄くなっていく と考えるのが自然です。
注意
「全自動」「AIが判断」は、利益を保証する言葉ではない
「全自動」「0.1秒で約定」は取引の 処理速度 についての説明であり、 利益が出ることを保証する説明ではありません 。
アービトラージという手法そのものが「損はしにくいが、大きく稼ぐ機会も限られる」投資法だという点は、頭に入れておいた方がよさそうです。
「月利30%超」のような具体的な数字を見せられたときほど 、 誰が・どの取引所で示した数字なのか を確認する習慣を持ってください。
②法律・規約面のリスクを確認する 「AIが全自動で運用し、紹介すれば紹介料も入る」という誘い文句は、実は 国民生活センター が名指しで 注意を呼びかけているパターンとよく似ています 。
“ 引用
友人や知人から「暗号資産でもうかる。人を紹介すれば紹介料も入る」と勧誘されお金を預けたが、出金できない、返金されないといったケースもみられます。
出典 国民生活センター「SNSやマッチングアプリ、友人・知人からの誘いをきっかけとした暗号資産のトラブル」(2022年8月4日)“ 引用
職場の同僚に「AIが判断して暗号資産に投資するシステムでもうかっている。一緒にやらないか」と誘われたあと、セミナーでも契約を促された。
出典 同資料 事例4『AIが判断して暗号資産に投資するシステムでもうかっている』という誘い文句、私はこの手のトークにはもう乗りません。
AD2PROの「AI搭載で24時間365日全自動稼働」「紹介の仕組みがある」という説明は、この注意喚起が指摘する構造と 論点が重なります 。
なお、上記の国民生活センターの注意喚起は、國松幸雄さん・株式会社グローバルイノベーションを名指ししたものではありません(対象は別の事業者の事例です)。
もう一つ、確認しておきたいのが 登録の有無 です。
報酬を見込んで金融商品の売買や助言を仲介する事業には、 原則として金融商品取引業などの登録が必要です 。 金融庁 はこう注意喚起しています。
“ 引用
日本で登録を受けずに金融商品取引業や暗号資産交換業を行うことは違法です。
出典 金融庁「無登録業者との取引は要注意!!」注意
金融庁の無登録業者リストに掲載はないが、それが安全の証明ではない
編集部が 金融庁の無登録業者リスト を確認した範囲では、「グローバルイノベーション」「AD2PRO」「クラウドナイン」に該当する掲載は見当たりませんでした。
ただし、同リストには 「掲載されていない者でも、無登録営業に該当する行為を行っていることがあり得ます」 と明記されています。
「リストに載っていないから安全」ではなく、 取引の仕組みや資金の流れそのものを自分で確認する 姿勢が必要です。 ③口コミと勧誘導線を見る 口コミ(二次情報)では、「ハッキング被害で大金を失った」「セミナーの内容が浅はかで薄っぺらい」「運営の対応が不誠実」といった 否定的な声が複数見られます 。
これらは編集部が裏を取れていない、あくまで 個人の投稿という二次情報 です。
ただ、同じ趣旨の声が繰り返し見られること自体は、 判断材料の一つになります 。
口コミは伝聞として、参考程度に見てください。
私が事実として扱うのは、公的資料で裏が取れる部分だけです。
また、國松氏が代表を務める関連会社の株式会社クラウドナインは、新ポイ活サービス「APOCAリンク」(2025年に旧「ACPOマーケット」からリニューアル)を運営しています。
「加盟店を1回使うごとに必ず100ポイントがもらえる」「ポイントの有効期限なし」を打ち出すサービスで、AD2PROとは 別事業 です。
株式会社クラウドナインが運営するポイントサービス「APOCAリンク」の公式サイト。AD2PROとは別のサービスです(画像:運営会社公式サイトより)。 APOCAリンクは2025年にサービスを開始したばかりで、編集部が確認した範囲では、 消費者庁や国民生活センターからの注意喚起事例は見当たりませんでした 。
ただし、新しいサービスであるほど口コミや実績の蓄積が少なく、 利用規約・ポイントの換金条件・退会方法 は登録前にご自身で確認しておくことをおすすめします。
確認ポイント
💬 分析マン的メモ
紹介料や新サービスの仕組み自体は、悪いことではありません。
ただ、人を誘うほど得をする設計は、 冷静な判断を鈍らせやすい と私は考えます。
運用実績のスクショや紹介を受けたとき 、私はこの順番で確認します。
①誰が・どの取引所で出した数字か聞く→②紹介料の説明を受けたら一旦距離を置く→③運営会社を法人番号で特定する→④金融庁の無登録業者リストを確認する。
これってシンプルなんですよ。
運営会社を公的資料で確認する ここからは、印象ではなく 公的資料で裏が取れる事実 の話です。
AD2PROの運営会社「株式会社グローバルイノベーション」を、国税庁の 法人番号公表サイト で確認しました(法人番号8430001074298)。
関連会社・株式会社クラウドナインの公式サイト。ポイントサービス「APOCAリンク」などを展開しています(画像:運営会社公式サイトより)。 株式会社グローバルイノベーション(国税庁で確認)
法人番号 8430001074298
商号 株式会社グローバルイノベーション
所在地 北海道札幌市中央区大通西9丁目1-1 キタコー大通公園ビル6階
法人番号指定日 平成29年(2017年)6月8日
所在地変更履歴 令和2年7月7日、南九条西4丁目3-5 AMSタワー502から現住所へ移転 参考記事では「設立は令和2年」と紹介されていますが、国税庁の法人番号指定日は平成29年(2017年)であり、 令和2年は現住所への移転年とみるのが妥当 です。
代表者名は国税庁のデータには記載されず、 グローバルイノベーション公式サイト の会社概要で「代表取締役 國松幸雄」と 自社発信で確認 できました。
会社が法人として実在することと、案件の中身が安全なことは別の話です。
私は、実在の確認はスタート地点だと考えています。
続いて、 関連会社の株式会社クラウドナイン です( 法人番号7430001081139 )。
クラウドナインが展開する4つの事業。ポイントサービス事業の中心が「APOCAリンク」です(画像:運営会社公式サイトより)。 株式会社クラウドナイン(国税庁で確認)
法人番号 7430001081139
商号 株式会社クラウドナイン
所在地 北海道札幌市中央区南十条西10丁目1番20号 さくらビル6階
法人番号指定日 令和2年(2020年)3月27日
所在地変更履歴 令和7年3月10日、南九条西4丁目3-15 AMSタワー502から現住所へ移転 注意
「株式会社クラウドナイン」は全国に同名の会社が複数ある
「株式会社クラウドナイン」という商号は、全国に複数の別法人が存在します 。
本記事で扱っているのは、あくまで 法人番号7430001081139(札幌市中央区) の会社です。
社名だけで検索して別の同名会社の情報と混同しないよう、 気になる会社は必ず法人番号まで確認 してください。
なお、代表者名は国税庁のデータには記載がなく、同社のプレスリリース(PR TIMES)で「代表取締役社長:國松幸雄」と 自社発信で確認 できました。
日付 できごと 2017年6月 株式会社グローバルイノベーション 法人番号指定 2020年3月 株式会社クラウドナイン 法人番号指定 2020年7月 グローバルイノベーション 現住所(大通西9丁目)へ移転 2025年3月 クラウドナイン 現住所(南十条西10丁目)へ移転 2025年 ポイントサービス「APOCAリンク」(旧ACPOマーケット)開始
会社が実在し、法人番号や所在地の変遷を公的資料で追えること自体は、事業を継続してきた材料の一つです。
ただし、それは 「詐欺ではない」ことの証明にはなりません 。
運用実績の裏付けの有無 や 登録の有無 は、 また別に確認する必要があります 。
運営会社の実在は確認できましたが、それだけで「登録して大丈夫」とは言えません。
『自分が見ている投稿は本物か』『この会社は他にどんな評判があるか』と迷ったら、 気になる点をそのまま編集部にぶつけてください 。
投資詐欺検証ラボ LINE相談窓口
登録前のチェックリスト 「月利30%超」 などの運用実績投稿に、取引所名や取引の板の状況など 裏付け資料 が示されているか 「アービトラージは自分の取引所口座内で完結する」という説明の意味を、 自分の言葉で説明できる か 紹介料が発生する仕組みについて、誘ってきた相手から 明確な説明 を受けているか 運営会社を 国税庁の法人番号公表サイト で検索し、法人番号・所在地・代表者情報が一致しているか(クラウドナインは同名他社に注意) 金融庁の無登録業者リスト を確認したか(掲載がなくても、それだけで安全とは判断しない) APOCAリンクなど関連サービスの ポイントの使途・換金条件・退会方法 が明記されているか 登録前に、 総額(参加費用等) が明示されているか チェックリストのどれか1つでも埋まらないなら、その時点で一度立ち止まる理由になります。
私は、埋まらない項目があるまま登録はしません。
まとめ|結論は「登録はおすすめしません」 表は左右にスクロールできます
切り口 編集部の見立て 押さえる軸 ① AD2PROの主張 「月利30%超」の実績投稿は 裏付け資料がなく 、板の薄いアービトラージで継続的な高利益は出にくいとみられる 運用実績は「誰が」「どの取引所で」示したものか確認する ② 口コミ・勧誘導線 「ハッキング被害」「セミナーが薄い」という 否定的口コミ(二次情報)が複数 。紹介料の仕組みも判断を鈍らせやすい 口コミは伝聞と割り切り、紹介の説明が曖昧なら距離を置く ③ 運営会社 グローバルイノベーション・クラウドナインは法人として実在確認できるが、 クラウドナインは同名他社に注意が必要 法人番号での特定と、金融庁リストの確認をセットで行う
もう一度、整理します。
AD2PROは、現時点で 「詐欺だ」と断定できる公的証拠は確認できません 。
ですが、 「月利30%超」という運用実績の裏付けがないこと 、 アービトラージという手法自体が板の薄さで利益を出しにくい構造であること 、そして紹介料の仕組みや否定的な口コミが複数見られることを合わせると、 今すぐ登録を急ぐ理由は見当たりません 。
大事なのは、運用実績の数字に気持ちを動かされる前に、 「誰が」「どの取引所で」その数字を出したのか、運営会社は登録業者か を、公的資料と事実で確かめることです。
詐欺と断定する話ではありません。
ただ、運用実績の裏付けと口コミを見る限り、私はおすすめしません。
確認ポイント
「このアービトラージツール、登録して大丈夫?」と迷ったら
届いた投稿・DMのスクショ、運営会社名、案内された金額——どんな材料でも大丈夫です。
編集部の目で、 運用実績の裏付け・運営会社の実体・無登録業者リストとの照合・紹介の仕組みのリスク を、公的資料に当たって整理します。
「強い数字の印象」ではなく「固い事実」で判断するお手伝いをします。
相談料は無料です 。