結論を先に置きます
『1096戦1065勝、勝率97.17%』。
『200連勝』『196連勝』『95連勝』。
熊谷学氏が販売する、FX商材『世界一勝てるFXの稼ぎ方』の宣伝文句です。
LINE公式アカウント『マナブ[公式]』から届く無料講座を進むと、
最終的に29万8,000円(税抜)の
FX自動売買システム(EA)へたどり着きます。
まず、結論から書きます。
この実績を裏付ける公的な資料は、確認できません。
ですが、
この数字だけで29万8,000円(税抜)のEAを購入するのは、
おすすめしません。
理由は3つあります。
1つ目は、実績表示についてです。
『1096戦1065勝、勝率97.17%』。
『200連勝』『196連勝』『95連勝』。
こう謳われていますが、
この数字を裏付ける第三者資料は確認できません。
2つ目は、法的リスクについてです。
『相場のねじれと色を見るだけ』という非公開ロジックでの断定的な収益訴求。
これは、景品表示法・金融商品取引法の観点でリスクがあるとされています。
3つ目は、勧誘導線です。
LINE公式アカウント『マナブ[公式]』経由で無料講座3本を経て、
最終的に29万8,000円(税抜)のFX自動売買システム(EA)へ誘導する、
プロダクトローンチ型の構造になっています。
『1096戦1065勝、勝率97.17%』。
この数字だけで購入を決めるのは、私は怖いと感じます。
まずは3つに分けて見る
表は左右にスクロールできます
| 切り口 | ざっくり結論 | 信じていい度 |
|---|
| ① 実績表示 | 「1096戦1065勝・勝率97.17%」を謳うが、検証可能な取引履歴等の第三者資料は確認できない | 低い(自称の域を出ない) |
| ② 法的リスク | 断定的な収益訴求・非公開ロジックは、景品表示法・金融商品取引法の観点でリスクがあるとされる | 要注意 |
| ③ 勧誘導線・料金 | メールアドレス登録→LINE『マナブ[公式]』→無料講座3本→本編を経て、29万8,000円(税抜)のEAへ誘導する構造 | 事前に総額を把握すべき |
実績・法的リスク・勧誘導線。
この3つを混ぜずに見るだけで、印象と事実の差がはっきりします。
確認ポイント
本記事のスタンス
断定はしません。
並べて、整理します。
判断はあなたがしてください。
実績表示・法的リスク・勧誘導線。
この3つのどれかで『判断に迷った』と感じたら、
ひとりで抱え込まず、LINEで相談してください。

投資詐欺検証ラボLINE相談窓口
(1)『勝率97.17%』『200連勝』の実績表示を検証する
画像:参考LPより。熊谷学氏は、本人の説明によると、
柔道家・柔道整復師としての経歴を持ち、
過去にはFXを無償で教えていた時期もあった、としています。
ただし、この経歴は本人の自己紹介にもとづく自称情報であり、
第三者が確認できる資格証明や実績資料は、今のところ確認できません。
今回のLP・広告では、
「1096戦1065勝」「勝率97.17%」 という数字とともに、
「200連勝」「196連勝」「95連勝」 という連勝記録が、
繰り返し打ち出されています。
ここまで数字が並ぶと、
つい信じたくなってしまうところですが、
裏付けとなる取引記録は、広告内では示されていません。
画像:参考LPより。具体的な取引記録の提示はない。「200連勝、196連勝、95連勝」。
検証可能な取引履歴やSNSの提示がない連勝数字は、私は鵜呑みにしません。
手法として説明されているのは、
相場の「ねじれ」と、
チャート上に表示される「色」を見るだけで勝てる、
という連勝スカルピングロジックです。
しかし、具体的なエントリー条件や損切りルールは非公開のままで、
読者側が中身を検証する材料は、ほとんど残されていません。
エントリー条件も損切りルールも非公開のまま『勝率97.17%』とだけ言われても、
再現性を確かめる材料が読者側にありません。
| 広告での主張 | 確認できる事実 |
|---|
| 「1096戦1065勝・勝率97.17%」 | 取引履歴やSNS投稿など、第三者が検証できる資料は確認できません。 |
| 「200連勝」「196連勝」「95連勝」 | 同様に、連勝を裏付ける記録の提示は確認できません。 |
| 「相場のねじれ・色を見るだけで勝てる」 | エントリー条件や損切りルールは、非公開のままです。 |
ここまで見てきた数字は、
いずれも広告内で語られているだけの情報であり、
第三者が検証できる資料の提示は、確認できません。
(2)景品表示法・金融商品取引法のリスクを見る
ここからは、
景品表示法と金融商品取引法という、
2つの法律の物差しで、
この案件を見ていきます。
まず、
不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法) | e-Gov法令検索には、
優良誤認表示という考え方があります。
条文(第5条第1号)を見てみます。
“引用
商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し…不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
出典不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)第5条第1号 | e-Gov法令検索
しかも、
令和6年10月に施行された改正では、
優良誤認表示そのものに対して、
直罰規定(第48条・100万円以下の罰金)が新設されました。
以前より、
行政が監視を強めている分野だと言えます。
「相場のねじれと色を見るだけ」。
この説明だけで数十万円払うのは、
私なら怖いです。
注意
広告の言葉と、法令の物差しのズレ
広告は、
「相場のねじれと色を見るだけ」
「勝率97.17%」
といった、
断定的な収益表現を打ち出しています。
一方で景品表示法は、
実際のものより著しく優良であると示す表示を、
規制の対象にしています。
この2つを並べたとき、
表現のギャップが気になりました。
実績を裏付けられないまま『勝率97.17%』を広告に出し続けることは、
景品表示法の優良誤認表示にあたるリスクがあると私は見ています。
次に、
金融商品取引法 | e-Gov法令検索を見ます。
金融商品取引業を営むには、
登録が必要だと定められています。
“引用
金融商品取引業を行おうとする者は、内閣総理大臣の登録を受けなければならない。
出典金融商品取引法第29条 | e-Gov法令検索
では、
EA(自動売買システム)を販売すること自体は、
この登録の対象になるのでしょうか。
単体で売り切るタイプと、
継続的にシグナルを配信し続けるタイプとでは、
扱いが分かれる、
というのが実務上の論点です。
継続的な助言に近い形になっている場合は、
投資助言・代理業の登録が必要になる、
リスクがあるとの指摘があります。
ただし、
これは私が一方的に「違法」と決めつけられる話ではありません。
議論の余地がある論点として、
慎重に見ておく必要があります。
気になったので、
無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について | 金融庁も確認しました。
ただし、
「クロスグループ」
「山口孝志」
「熊谷学」
といった名称は、
確認できる範囲では、
掲載されていません。
つまり、
金融庁が名指しで無登録業者として警告している事実は、
確認できません。
ただ、
無登録業者との取引は要注意!! | 金融庁にあるとおり、
無登録の業者と取引した場合、
法的な保護が薄くなる、
という一般論は、
知っておいた方がいい注意点です。
景品表示法と金融商品取引法、
どちらの側面から見ても、
グレーな余地が残る案件だと、
私は見ています。
(3)LINEのプロダクトローンチ型勧誘導線と料金29万8,000円を確認する
ここからは、
実際の勧誘の流れを順番に見ていきます。
参考にしたLPを確認すると、
メールアドレスの登録から有料商品の案内まで、
段階を踏んで信頼を積み上げていく設計になっていました。
マーケティング業界では、
こうした型をプロダクトローンチと呼びます。
無料の講座を小出しにしながら、
最後に高額商品へつなげる手法です。
| ステップ | 内容 |
|---|
| 1. LP到達 | メールアドレス入力フォーム |
| 2. LINE登録 | LINE公式アカウント「マナブ[公式]」への登録案内 |
| 3. 無料講座1本目 | 熊谷学本人の自己紹介と手法の予告 |
| 4. 無料講座2本目 | クロスグループ代表・山口氏による紹介 |
| 5. 無料講座3本目 | 山梨への取材演出 |
| 6. 本編動画 | 手法の詳細説明 |
| 7. 有料勧誘 | FX自動売買システム(EA) 29万8,000円(税抜)/32万7,800円(税込)の案内 |
自己紹介→第三者の紹介→取材演出→本編、
と段階を踏んで信頼を積み上げてから売る。
この型を私は警戒します。
LINE公式アカウント「マナブ[公式]」に登録すると、
無料講座が段階的に配信される設計でした。
1本目は、
熊谷学氏本人による自己紹介と手法の予告です。
2本目は、
クロスグループ代表の山口氏による紹介でした。
3本目は、
山梨への取材という演出が入ります。
そのうえで、
本編動画へと進んでいく流れです。
画像:LINE登録完了時に届くメッセージより。本編にあたる動画では、
高級車とともに、
「自分の好きなことを楽しみながら生活していますが」
という字幕が表示される場面がありました。
こうした演出は、
成功したライフスタイルを印象づける効果を狙ったものと見られます。
ただし、
この映像自体は、
手法の有効性を裏付ける一次情報ではありません。
画像:無料講座動画より。高級なライフスタイルを演出する場面。注意
演出と実績は別物
高級車や「好きなことを楽しむ生活」といった映像は、
あくまで印象づけの演出です。
FX自動売買システムの成績そのものを示す資料ではありません。
無料講座を経たあと、
案内されるのが有料のFX自動売買システム(EA)です。
価格は、
29万8,000円(税抜)/32万7,800円(税込)とされていました。
広告文言では、
「日給10万円が稼げる」
といった表現も見られます。
画像:参考LPより。| 項目 | 内容 |
|---|
| 価格 | 29万8,000円(税抜)/32万7,800円(税込) |
| 広告文言 | 「日給10万円が稼げる」 |
| 回収試算(推測:広告文言からの試算) | 32万7,800円を「日給10万円」で回収するには、最短でも4日分の的中が前提になる |
「日給10万円も可能」。
この言葉と29万8,000円という価格を切り離さずに見てください。
似たような型の勧誘については、
消費者庁も注意喚起を出しています。
消費者庁「簡単な作業をするだけで『誰でも1日当たり数万円を稼ぐことができる』などの勧誘により『副業』の『マニュアル』を消費者に購入させた事業者に関する注意喚起」(令和4年4月13日)
では、
次のような事例が紹介されています。
“引用
令和元年から令和3年の夏までにかけて、簡単な作業をするだけで『誰でも1日当たり数万円を稼ぐことができる』などというLINEのメッセージによる勧誘を受け『副業』の『マニュアル』を購入してしまった。
出典消費者庁「簡単な作業をするだけで『誰でも1日当たり数万円を稼ぐことができる』などの勧誘により『副業』の『マニュアル』を消費者に購入させた事業者に関する注意喚起」(令和4年4月13日)
念のため、
明記しておきます。
この注意喚起は、
今回のFX自動売買システム(EA)案件そのものへの行政処分ではありません。
LINEを使って段階的に信頼を積み上げるという、
導線の型が似ている類似手口として紹介しています。
今回の案件が、
この注意喚起の対象になったという事実はありません。
総額32万7,800円という金額と、
段階を踏んで信頼を積み上げる導線。
どちらか一方でも引っかかったら、
一度、LINEで相談してください。

投資詐欺検証ラボLINE相談窓口
解約・返金・クーリングオフはできる?
ここでは、
契約したあとの解約・返金について整理します。
今回のように、
LINE経由でシステム(EA)を販売する形態は、
多くの場合「通信販売」に区分されます。
消費者庁「特定商取引法ガイド」は、
通信販売とクーリング・オフの関係について、
こう説明しています。
“引用
通信販売には、訪問販売等において認められているクーリング・オフの規定はありません。
出典消費者庁「特定商取引法ガイド」通信販売に関するQ&A
つまり、
高額な情報商材やFXの自動売買システムのような商品は、クーリング・オフの対象にならないことが多い、ということです。
返品に応じるかどうかは、
事業者があらかじめ定める「返品特約」に従うのが原則です。
特定商取引法(特商法)上の表示がなければ、
商品の引渡しから8日以内は撤回・解除ができる場合もありますが、
情報商材やシステムのようなデジタル型の商品に、
この規定がそのまま当てはまるとは限りません。
注意
分析マン的メモ:『返金します』は口約束で終わらせない
情報商材やシステム販売の解約トラブルは、
国民生活センターにも数多く寄せられています。
『返金します』という口頭の説明だけでは、証拠になりません。
特商法表記に書かれた返品・解約条件を、
契約前にスクリーンショットで保存しておくことをおすすめします。
今回の案件そのものの特商法表記は、確認できていません。
そのため、
このFX自動売買システムの契約について、
返金・解約の条件がどう定められているかは、
現時点では確認できません。
ここでは、
一般的な注意点として、
申し込む前に必ず確認しておきたいポイントです。
高額な情報商材・システム商品は、
特定商取引法上クーリングオフの対象にならないことが多いです。
返金条件は購入前に必ず確認してください。
運営元『クロスグループ』を調べる
ここからは、
印象ではなく、
公的資料で裏が取れる事実を見ていきます。
今回の案件は、
『クロスグループ』という名称で展開されています。
この名称の中心にあるのが、
クロスリテイリング株式会社です。
クロスリテイリング株式会社の法人情報(gBizINFOで確認)
- 商号
- クロスリテイリング株式会社
- 法人番号
- 9010001126578
- 所在地
- 東京都墨田区錦糸1丁目2番1号
- 金融商品取引業の登録
- 投資助言・代理業(関東財務局長(金商)第2267号)
この法人番号を、
gBizINFO(経済産業省・デジタル庁が運営する法人情報サイト)で調べると、
法人としての実在は確認できます。
そして、
クロスリテイリング株式会社は、投資助言・代理業として金融商品取引業の登録がある、実在の登録業者です。
ただし、
この登録が、
今回のLINE経由のEA(自動売買システム)販売という具体的な取引にまで、
そのまま及ぶものかどうかは、
今回のリサーチでは確認できていません。
会社が登録業者であることと、
個別の商品・勧誘の中身が適正であることは、
別の話として見る必要があります。
確認ポイント
分析マン的メモ:『登録業者』であることは、案件の中身を保証しない
クロスリテイリング株式会社が、
金融商品取引業(投資助言・代理業)として登録されていること自体は、
確認できる事実です。
これは、
無登録の業者に比べれば、
一つの安心材料ではあります。
ですが、
登録があることと、個々の商品説明や勧誘方法が適正であることは、イコールではありません。
登録の有無と、
中身の正しさは、
分けて考える必要があります。
会社が実在するかどうかと、
中身の商品説明が正しいかどうかは別の話です。
私は両方を分けて見ます。
クロスグループの公式サイトでは、
会社概要のページで、
創業者・代表を山口孝志氏としています(当事者による公式発表)。
参考記事の中には、
『クロスグループ』の過去の案件として、
次のような高額商品の販売案件を挙げているものがあります。
| 案件名 | 関与者(参考記事の指摘) |
|---|
| キングメイカーFX | 山口孝志氏 |
| Scal The Gold | 広瀬隆氏・山口孝志氏 |
| BLACK | マックス岩本氏 |
※いずれも参考記事の指摘であり、
本記事側で新たに事実確認したものではありません。
参考記事は過去の類似案件も指摘していますが、
ここは参考記事側の指摘として紹介するに留めます。
私が新たに事実認定したものではありません。
運営会社が実在するかどうかを確認しても、
最終的に申し込むかどうかの判断は、また別の話です。
迷ったら、ひとりで抱えずに相談してください。

投資詐欺検証ラボLINE相談窓口
申し込み前のチェックリスト
- 「1096戦1065勝」「勝率97.17%」を裏付ける、取引履歴やSNS投稿などの第三者資料が提示されているか
- エントリー条件・損切りルールなど、再現性を検証できる情報が開示されているか
- LINE登録から有料EA案内までの総額(29万8,000円(税抜)/32万7,800円(税込))が、動画を見る前に明示されているか
- 特定商取引法に基づく表記に、運営会社名・代表者名・所在地・電話番号の記載があるか
- クーリングオフや返金の可否・条件が、契約前に明示されているか
- 「クロスグループ」を国税庁の法人番号公表サイトで検索し、法人としての実在と所在地を確認したか
- 「日給10万円」等の収益断定表現が、景品表示法・金融商品取引法の観点で問題視され得ることを理解したか
チェックリストの半分も埋まらないなら、
私はいったん財布を閉じます。
まとめ|結論は「購入しないほうがいい」
表は左右にスクロールできます
| 切り口 | 編集部の見立て | 押さえる軸 |
|---|
| ①実績表示 | 「1096戦1065勝・勝率97.17%」を謳うが、検証可能な取引履歴・SNS投稿等の第三者資料は確認できない | 数字の裏付けの有無を自分の目で確認する |
| ②法的リスク | 「相場のねじれと色を見るだけ」という非公開ロジックでの断定的な収益訴求は、景品表示法・金融商品取引法の観点で問題視されるリスクがある | 断定的な収益表現・非開示ロジックへの警戒 |
| ③勧誘導線・料金 | メールアドレス登録→LINE「マナブ[公式]」→無料講座3本→本編を経て29万8,000円(税抜)のEAへ誘導するプロダクトローンチ型 | 総額と勧誘のステップ数を事前に把握する |
結論として、このEAの購入はおすすめしません。
実績の裏付けが確認できない状態で、
高額な有料EAへ進むのは、
リスクが伴います。
結論として、私ならこのEAは購入しません。
『勝率』より先に、
『誰が』『何を根拠に』を確認してください。
確認ポイント
一人で抱え込まないでください
申し込む前の30秒で、
家族を守れることがあります。
もし「このツール、大丈夫かな」と思ったら、
LINEで案件名・URL・勧誘文のスクショを投げてください。