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「10万円以下のバイオ株2選」の決算数字を検証してみた

株情報サイト「今買えばいい注目株」の記事『【注目株】10万円以下で狙う黒字化転換とテンバガー候補バイオ株2選』のページ上部。パンくずリスト・タイトル・公開日が表示されている
タダシ(投資詐欺検証ラボ 編集長)

タダシ

こんにちは、タダシです。

編集長のコメント

タダシ

編集長のタダシです。 『黒字化転換とテンバガー候補バイオ株2選』という注目株記事、見かけましたよね。

書かれている決算数字を、会社の公式資料と一緒に確かめましょう。

検証の要点

ネクセラファーマとカルナバイオサイエンスの決算数値そのものは、公式資料と一致すると確認できます。 ただし前期の黒字を赤字と書き違えた比較や、決算期の誤記があり、材料の見せ方には誤りがあります。

ネクセラファーマの前期比較と、 カルナバイオサイエンスの決算期表記に、確認しておきたい点がありました。 ここから、公式資料で1つずつ確かめます

編集長のコメント

タダシ

正直に言います。 数字が合っているからといって、比較の基準や期間の表記まで正しいとは限りません。

ここで一度、立ち止まって確認してください。

結論を先に置きます

話題にするのは、株情報サイト「今買えばいい注目株」(gori-gori.com)が2026年7月22日に公開した記事『【注目株】10万円以下で狙う黒字化転換とテンバガー候補バイオ株2選』です。 記事は、ネクセラファーマ(4565)とカルナバイオサイエンス(4572)の2銘柄について、株価・業績・開発ニュースを挙げて紹介しています。 まず結論から。 ネクセラファーマの2025年12月期実績・2026年12月期の黒字化見込みは、会社の決算説明資料と一致していました。 ただし記事の『コア営業損益は前期90億2,600万円の赤字から改善した』という記載は、前期の実際の数字(36億600万円の黒字)と逆になっており、事実と異なります。 カルナバイオサイエンスのFDAオーファンドラッグ指定は専門メディアの報道で実在を確認できましたが、決算期の表記が「2026年5月期」と誤っていました(正しくは2026年12月期)。 この記事は『数字が捏造されている』というより、比較の基準と期間表記に注意が必要なタイプの記事だと言えそうです。

確認ポイント

この記事自体の数字が「嘘」という話ではありません

ネクセラファーマ・カルナバイオサイエンスとも、実在の東証上場企業で、決算短信・決算説明資料も実際に開示されています。 今回確認したのは、あくまで『記事に書かれた比較や表記が、決算短信・決算説明資料という一次資料と整合するか』という点です。

3つに分けて見る

『銘柄紹介記事の数字がどこまで正確か』は、決算短信・決算説明資料という一次資料と照合すれば確認できます。 今回は①ネクセラファーマ ②カルナバイオサイエンス ③記事後半の誘導、の3つに分けて見ていきます。

表は左右にスクロールできます

見る切り口記事の記載一次資料との照合
① ネクセラファーマ(4565)2025年12月期実績、2026年12月期の黒字化見込みなど実績・見込みは一致/前期比較は方向が逆
② カルナバイオサイエンス(4572)FDAオーファンドラッグ指定、決算数値など数値・ニュースは一致/決算期表記に誤り(5月期→12月期)
③ 記事後半の誘導AI投資ツール『IF』・投資顧問ジャーナル・公式LINE当ラボの別記事で検証済み

編集長のコメント

タダシ

決算数値そのものや、FDA指定のニュースに大きな『でたらめ』は見当たりませんでした。

ただ①②とも、比較の基準や期間の表記には、確認しておきたい点がありました。

① ネクセラファーマの数字を確認する

記事はネクセラファーマ(4565)について、 『株価目安927円(2026年7月22日時点)』 『時価総額約876億円、PBR(実績)1.44倍』 と紹介しています。

gori-gori.comの記事内にあるネクセラファーマの銘柄情報テーブル。証券コード4565、株価目安927円、1単元換算額約92,700円、業種医薬品、時価総額約876億円、PBR実績1.44倍と記載されている
紹介記事に掲載されているネクセラファーマの銘柄情報テーブル(画像:紹介記事より、編集部確認2026年9月5日)。

続けて記事は、 『2025年12月期は売上収益296億1,500万円(前期比+3%)、営業損益は84億6,200万円の赤字(前期は54億2,300万円の赤字)』 『会社側は2026年12月期について営業利益7億円、コア営業利益78億円の黒字化を見込む』 とも紹介しています。 同社が開示した2025年12月期決算説明資料(2026年2月13日付)を確認すると、次のとおりでした。

ネクセラファーマの決算説明資料にある2022年12月期から2026年12月期予想までのコア営業利益・営業利益の推移グラフ。2024年12月期のコア営業利益は3,606百万円の黒字、2025年12月期は352百万円の赤字、2026年12月期はコア営業利益7,800百万円以上・営業利益700百万円以上を予想と記載されている
ネクセラファーマ「2025年12月期 決算説明資料」(2026年2月13日)より。2024年12月期のコア営業利益は3,606百万円の黒字で、記事の『前期90億2,600万円の赤字』という記載とは異なります(画像:会社IR資料より)。

ネクセラファーマ(4565)決算:記事の記載と決算説明資料の比較

2025年12月期 売上収益
記事296億1,500万円(+3%)/資料29,615百万円(+3%)=一致
2025年12月期 営業損益
記事84億6,200万円の赤字/資料△8,462百万円=一致
2025年12月期 コア営業損益
記事3億5,200万円の赤字/資料△352百万円=一致
2024年12月期 コア営業損益(比較の基準)
記事「90億2,600万円の赤字」/資料+3,606百万円の黒字=不一致
2026年12月期 会社予想
記事:営業利益7億円・コア営業利益78億円/資料:700百万円〜・7,800百万円〜=一致

注意

「前期90億2,600万円の赤字から改善」は、前期の実際の数字と逆です

決算説明資料のグラフによれば、2024年12月期のコア営業利益は36億600万円の黒字でした。 記事は、この黒字だった年を『90億2,600万円の赤字』とし、そこから2025年12月期(3億5,200万円の赤字)へ『改善した』と紹介しています。 ですが実際は、黒字だった前期から、2025年12月期に赤字へ転じたという、記事とは逆方向の変化でした。 2025年12月期の実績値そのもの、2026年12月期の黒字化見込みの数値は、資料の数字と一致しています。

編集長のコメント

タダシ

2025年12月期の実績や、2026年12月期の見込みの数字は、資料ときちんと一致していました。

ただ『前期は黒字だったか赤字だったか』という比較が、逆向きになっているのは気になります。

決算数値は正確でも、比較の向きを間違えると印象が変わってしまいます。 『この会社、本当に業績は改善しているのかな』と思ったら、LINEで一緒に整理しましょう

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② カルナバイオサイエンスの数字とFDA指定を確認する

記事はカルナバイオサイエンス(4572)について、 『株価目安312円(2026年7月22日時点、前日比▲6.86%)』 『自己資本比率△8.1%2026年5月期第1四半期末時点)』 と紹介しています。

gori-gori.comの記事内にあるカルナバイオサイエンスの銘柄情報テーブル。証券コード4572、株価目安312円、1単元換算額約31,200円、業種医薬品、自己資本比率マイナス8.1%(2026年5月期第1四半期末時点)と記載されている
紹介記事に掲載されているカルナバイオサイエンスの銘柄情報テーブル(画像:紹介記事より、編集部確認2026年9月5日)。

続けて記事は、 『自社創製のCDC7阻害剤「AS-0141」が、2026年7月21日付で米FDAからAML対象のオーファンドラッグ指定を受けた』 『売上高1億8,300万円(前年同期比+28.1%)、営業損失4億5,800万円、経常損失4億8,800万円、純損失5億1,300万円』 とも紹介しています。 まずFDAオーファンドラッグ指定について、専門メディアの報道で確認すると、次のとおりでした。

引用

AML薬候補、米FDAがオーファン指定 カルナバイオサイエンス

出典[日刊薬業「AML薬候補、米FDAがオーファン指定 カルナバイオサイエンス」](https://nk.jiho.jp/article/303859)

CDC7阻害剤『monzosertib(AS-0141)』が、急性骨髄性白血病(AML)を対象に米FDAのオーファンドラッグ指定を受けたというニュースは、実在すると確認できますMedical Tribuneでも同様の報道があり、専門メディア2媒体で独立に確認できました。 次に決算数値を、同社が開示した2026年12月期第1四半期決算短信(2026年5月8日付)で確認します。

カルナバイオサイエンスの2026年12月期第1四半期決算短信の表紙。売上高183百万円(28.1%増)、営業損失458百万円、経常損失488百万円、四半期純損失513百万円、自己資本比率マイナス8.1%で債務超過、通期予想は売上720百万円(24.4%増)・経常損失2,053百万円・EPSマイナス108.95円と記載されている
カルナバイオサイエンス「2026年12月期第1四半期決算短信」(2026年5月8日)より。表題のとおり決算期は「2026年12月期」で、記事の『2026年5月期』という表記とは異なります(画像:会社IR資料より)。

カルナバイオサイエンス(4572)決算:記事の記載と決算短信の比較

決算期の呼称
記事「2026年5月期第1四半期」/決算短信「2026年12月期第1四半期」=不一致(誤記)
売上高
記事1億8,300万円(+28.1%)/決算短信183百万円(+28.1%)=一致
営業損益
記事4億5,800万円の赤字/決算短信△458百万円=一致
経常損益
記事4億8,800万円の赤字/決算短信△488百万円=一致
四半期純損益
記事5億1,300万円の赤字/決算短信△513百万円=一致
自己資本比率
記事△8.1%/決算短信△8.1%(債務超過)=一致

注意

決算数値は正確でも、決算期は「5月期」ではなく「12月期」です

決算短信の正式なタイトルは「2026年12月期 第1四半期決算短信」(2026年5月8日提出)です。 記事の『2026年5月期第1四半期』という表記は、提出された月(5月)と決算期を取り違えた誤記とみられます。 決算数値そのものは決算短信の数字と一致していますが、決算短信には「継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象が存在している」という注記も明記されています。 この注記は、記事の本文でも自己資本比率とあわせて触れられていました。

編集長のコメント

タダシ

決算数値や、FDA指定のニュースそのものは、確認できる範囲で正確でした。

ただ決算期の表記のように、細かいところで一次資料とズレている部分があるのは覚えておきたいところです。

『この会社の決算、正確にはいつの数字なんだろう』と思ったら、LINEで聞いてください

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記事後半の誘導を確認する

2銘柄の紹介のあとには、「今買えばいい注目株」(gori-gori.com)でおなじみの誘導が並んでいます。 ひとつは、AI投資ツール『IF』の広告です。 もうひとつは、投資顧問サイト『ジャーナル』への案内。 さらに記事本文中には、サイト運営者・佐藤真理子氏名義の公式LINEへの登録案内も置かれていました。

この誘導先については、当ラボの別記事ですでに詳しく検証済みです。 AI投資ツール『IF』の検証記事では、金融庁が『IF-イフ-』を無登録で金融商品取引業を行う者として公表している事実を確認しています。 投資顧問ジャーナルの検証記事でも、運営実体や投資助言・代理業の登録の状況を整理済みです。 無料LINE配信『先読みテンバガーナビ』についても、別記事で登録状況を検証済みです。

決算数字の検証は、今回が初めてではありません。 直近では、カルナバイオサイエンスとキッズウェル・バイオの決算数字を検証した記事でも、同じ『銘柄2選+決算短信ファクトチェック』という形式を扱いました。 同じカルナバイオサイエンスが、別の記事・別の銘柄と組み合わされて繰り返し紹介されている点も、覚えておきたいところです

編集長のコメント

タダシ

正確な決算情報とニュースを並べたうえで、いつもの誘導が続く、という組み合わせです。

数字が合っているからこそ、次の誘導も一度立ち止まって確認してほしいところです。

『IF』やジャーナルに登録する前に確認したいことがあれば、LINEで一緒に整理しましょう

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銘柄紹介記事を読むときのチェック

  • 決算数値は、決算短信・決算説明資料などの一次資料で照合できるか確認する
  • 「前期は黒字だったか赤字だったか」など、比較の基準となる数字も一次資料で確かめる
  • 「◯◯年◯月期」という決算期の表記が、決算短信のタイトルと一致しているか確認する
  • 自己資本や純資産がマイナス(債務超過)になっていないか、財政状態の項目も確認する
  • 「見込み」「予想」と書かれている数字は、会社側の見込みであって確定した実績ではないことを確認する
  • 記事末尾の「AI投資ツール」「投資顧問」「公式LINE」は、運営会社名・登録状況を確認してから判断する

6つのチェックを並べましたが、全部を毎回やるのは大変です。 迷ったときだけ、LINEで聞いてください

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まとめ|数字は正確でも、比較の向きと期間表記は別に確認する

編集長のコメント

タダシ

もう一度言います。 この記事の決算数字やFDA指定のニュースが『間違っている』という話ではありません。

ただ、比較の向きや決算期の表記には、確認しておきたい点がありました。

表は左右にスクロールできます

見る切り口記事の記載一次資料との照合
① ネクセラファーマ(4565)2025年12月期実績、2026年12月期の黒字化見込みなど実績・見込みは一致/前期比較は方向が逆
② カルナバイオサイエンス(4572)FDAオーファンドラッグ指定、決算数値など数値・ニュースは一致/決算期表記に誤り(5月期→12月期)
③ 記事後半の誘導AI投資ツール『IF』・投資顧問ジャーナル・公式LINE当ラボの別記事で検証済み

改めて整理します。 ネクセラファーマ・カルナバイオサイエンスとも、決算短信・決算説明資料で確認できる数値はおおむね記事の記載と一致していました。 一方でネクセラファーマは、黒字だった前期を「赤字」として比較の向きを逆にしていました。 カルナバイオサイエンスは、決算期を「2026年5月期」と誤って表記していました。 銘柄紹介記事を読むときは、『数字そのものの正確さ』と『比較の向き・期間の表記』は別物として確認することをおすすめします。

確認ポイント

気になる記事があれば

『この銘柄記事、比較や決算期はどこまで正確なんだろう』と思ったら、 編集部のLINEで一緒に決算短信まで確認しましょう。 記事後半の誘導が気になる場合も、登録前に相談してください。