結論を先に置きます
「社会的な課題を解決し豊かで幸せな世界をつくる」——立派な理念を掲げる グローバルブリッジファンド合同会社(GBF) の話です。
同社は「ミュゼ広告ファンド」「ミュゼマーケティングファンドシリーズ」と称する 少人数私募債 で資金を集め、その後 利払いが止まり、元本も返ってきていない と報じられています。
まず、確定している事実から。
① 2026年5月15日、関東財務局 が、GBFの私募債の取扱いを 無登録で 行っていた業者(ICHiGU株式会社)への警告を公表しました。
これは 公的記録 です。
② 脱毛サロン「ミュゼプラチナム」の運営会社 MPH株式会社は2025年に破産 しました。
負債は会社申告ベースで約260億円、債権者は約123万人と、帝国データバンク・東京商工リサーチが公表しています。
③ そのミュゼの 商標権・営業権 は、破産手続き開始の約5か月前にGBF側へ移転していたことを、GBF側自身がプレスリリースで公表しています。
一方、「年率18%」「元本保証」という勧誘文句や「30億円超の集金」は、現時点では 報道ベース の情報です。
本記事では、公的資料で確認できる事実と、報道・当事者の主張を明確に区別して 整理します。
結論だけ先に言うと、僕なら出資しません。
当局の警告が出ている時点で、理念より資金回収リスクを見ます。
注意
先にいちばん大事なことを
GBFの私募債への出資勧誘を受けている方、すでに出資してトラブルになっている方は、この記事を読み終わる前でかまいません。
最寄りの消費生活センター(188)または金融サービス利用者相談室(0570-016811)、弁護士 に相談してください。
私募債は、一度払うと取り戻すのが非常に難しい商品 です。
まずは3つに分けて見る
表は左右にスクロールできます
| 切り口 | 内容 | 情報の確度 |
|---|
| ① 無登録販売への警告 | GBF発行の私募債を無登録業者が販売 → 関東財務局が2026年5月15日に警告公表 | 確定情報(関東財務局の公表資料) |
| ② 私募債の集金と利払い停止 | 「年率18%・元本保証」の文句で30億円超を集め、利払い停止・返金なしと報道 | 報道ベース(アクセスジャーナル等。断定不可) |
| ③ ミュゼ破産との関係 | MPH破産(負債約260億円・申告ベース)の前に商標権・営業権がGBF側へ移転 | 破産は確定情報(TDB/TSR)。移転はGBF側も公表(評価は係争的) |
先に書いておくと、本記事はGBFや関係者を「詐欺だ」と断定するものではありません。
資産移転の正当性については、GBF側に「会社を守るための防衛措置だった」という反論・主張があることも、後述のとおり紹介します。
そのうえで、出資を検討している人・勧誘を受けている人が知っておくべき公的事実 を 並べていきます。
詐欺と断定するより、確認できる警告を重く見るべきです。
僕なら、反論があっても出資判断は別にします。
ここまでで、この私募債とミュゼ破産・資産移転は分けて読む必要がある、と整理しました。
でも「自分が勧誘されている話は、当局の警告と同じものなの?」は、資料だけだと分かりにくいものです。
お金を動かす前に、LINEで一度確かめてください。

投資詐欺検証ラボLINE相談窓口
① 関東財務局の無登録警告——ここは公的記録です
関東財務局が2026年5月15日に公表した警告。GBFが発行する私募債「ミュゼマーケティングファンドシリーズ」の募集・私募の取扱いを、金融商品取引業の登録なく 行っていた業者が対象です(画像:関東財務局公表資料より)。2026年5月15日、関東財務局は、ICHiGU株式会社 という業者について「無登録で金融商品取引業等を行う者」として警告を公表しました。
公表資料によれば、同社は「グローバルブリッジファンド合同会社が発行する少人数私募債『ミュゼマーケティングファンドシリーズ』と称する有価証券の募集又は私募の取扱い」を行い、「発行体から間接的に当該商品の契約成立と連動して支払われる報酬を得ていた」とされています。
つまり、「ミュゼ」の名を冠したGBFの私募債が、登録のない業者経由で販売されていた ことが、当局の公表資料で確認できるということです。
金融庁はファンド形態での販売・勧誘について、「無登録業者からの勧誘は、詐欺的な商法であるおそれが高いと考えられますので、一般の皆様は、一切関わりにならないようにしてください」と明言しています。
この警告は、金融庁の無登録業者の名称等の一覧にも 収録されています。
無登録販売の警告は、かなり重い材料です。
ここまで条件が揃うと、僕は手を出しません。
②「ミュゼ広告ファンド」私募債——報じられている中身
「広告ファンド」名目で30億円超を集め、利払い停止・返金なしと報じる調査報道(画像:アクセスジャーナル 2026年5月29日付記事より)。金額・利率は現時点で報道ベースの情報 です。調査報道メディアのアクセスジャーナルは、2026年5月29日付の記事で、GBFの私募債についてこう報じています。
・「ミュゼ広告ファンド」と称し、「広告事業に出資すれば短期間で配当が得られる」として 総額30億円超 を集めた
・社債の利子は 年率18% で、出資者は 元本保証 も言われていた
・しかし利払いはほどなく停止し、元本も返済されず、出資者への説明もない
・GBFの貸借対照表(2025年3月31日)には「社債」として 約34億円 の記載がある
これらの金額・文言は 報道ベース であり、当記事として独自に確認できたものではありません。
ただし、この私募債が実在し、無登録業者経由で販売されていたこと自体は、①の関東財務局の公表で裏付けられています。
そして「年率18%」「元本保証」という勧誘文句が事実なら、それ自体が 重大な危険信号 です。
出資法第1条は、不特定多数からの「元本保証」をうたった出資金の受け入れを禁じており、金融庁も「『元本保証』『絶対に儲かる』などと説明して勧誘することは、禁じられています」と繰り返し注意喚起しています。
銀行預金の金利が1%に満たない時代の「年率18%・元本保証」は、約束として成立しない水準 だと考えるべきです。
注意
お金が動く順番(記事内記述から再構成)
GBFの私募債は、ミュゼ広告ファンド名目の勧誘から出資、利払い停止、元本返済なし という流れが報じられています。
金額や利率は報道ベースですが、GBF発行の私募債が無登録業者経由で販売されていたことは 関東財務局の公表で確認できます。
- 1「ミュゼ広告ファンド」「ミュゼマーケティングファンドシリーズ」として 勧誘される
- 2少人数私募債として出資する
- 3利子や元本保証を前提に説明された と報じられている
- 4利払いが停止した と報じられている
- 5元本も返済されず、出資者への説明もない と報じられている
年率や元本保証の言葉は、僕なら信用しません。
高い利回りほど、返済原資を先に疑います。
注意
「少人数私募債」は保護の薄い商品です
少人数私募債は、日本証券業協会の用語解説にあるとおり、少数(50人未満)の投資家を対象とする社債で、公募と違って 有価証券届出書などの開示規制がかかりません。
「ファンド」という名前でも、実態は 発行会社への貸付(借金の証書)。
発行体が返せなくなれば、元本はそのまま戻らなくなります。 「年率18%・元本保証」という勧誘文句が、いかに危ういかを見てきました。
それでも、有名ブランドの名前が付いていると「ここまでの会社なら大丈夫かも」と迷いますよね。
その迷いを抱えたままにせず、無料で相談して整理しましょう。

投資詐欺検証ラボLINE相談窓口
③ ミュゼプラチナム破産との関係——時系列で見る
「ミュゼ広告ファンド」の名前の由来である脱毛サロン 「ミュゼプラチナム」 と、GBFの関係を時系列で 整理します。
破産情報は帝国データバンクと東京商工リサーチの公表ベースです。
ブランド名があると安心しがちですが、僕は逆に資金の流れを見ます。
破産した事業に絡むファンドなら、なおさら慎重です。
表は左右にスクロールできます
| 時期 | 出来事 | 情報源 |
|---|
| 2024年6月 | GBFが経営難のミュゼ運営会社(MPH)の支援に参画(累計64億円投入とGBF側が主張) | 当事者主張・報道 |
| 2025年2月 | 別勢力による役員解任・経営権争い(GBF側は「乗っ取り被害」と主張、刑事告発済みと報道) | 当事者主張・報道 |
| 2025年3月10日 | ミュゼの商標権・営業権がGBF側へ移転(GBF側プレスリリースで公表) | 当事者公表 |
| 2025年5月16日 | 元従業員などの債権者がMPHの破産を東京地裁に申立て | TDB/TSR公表 |
| 2025年8月18日 | 東京地裁がMPHの破産手続き開始を決定。負債約260億円(申告ベース)・債権者約123万3000人 | TDB/TSR公表 |
| 2026年5月15日 | 関東財務局がGBF私募債の無登録販売業者に警告を公表 | 関東財務局公表 |
ポイントは、破産手続き開始の約5か月前に、ミュゼブランドの中核資産(商標権・営業権)がGBF側へ移転していた ことです。
これはGBF側自身が新会社「ミュゼ・メディア・HD」の設立に関するプレスリリースで公表しています。
この移転をめぐっては、「借金だけを旧会社に残し、価値ある資産だけを抜き取った計画倒産ではないか」という批判が、債権者・元従業員側から強く出ていると報じられています。
一方でGBF側・高橋氏側は、「2025年2月に別勢力から会社乗っ取りを受け、資産移転は会社を守るための正当な防衛措置だった」と主張しており、評価は現在も係争的 です。
当記事はどちらの主張が正しいかを判定できる立場にありません。
ただ、出資判断という観点では評価を待つ必要はありません。
約123万人の債権者を残して運営会社が破産し、給与未払いが大きな社会問題になった事業体の「広告ファンド」 だった——この確定事実だけで、リスクの大きさは十分に判断できます。
なお、元従業員への給与未払いは約15億円規模とみられると労働組合の会見等で報じられています。
倒産時の未払賃金には、労働者健康安全機構の未払賃金立替払制度(国の制度)で 一部が立替払いされる仕組み があります。
実質的支配者と報じられる人物——過去の逮捕報道
日本経済新聞2010年4月29日付記事。未公開株をめぐる詐欺事件で起訴され一審有罪判決を受けた「高橋英樹被告(30)」への言及があります(画像:日本経済新聞電子版より)。俳優の高橋英樹さんとはまったくの別人です。グローバルブリッジファンド合同会社の概要(公表情報ベース)
- 商号
- グローバルブリッジファンド合同会社
- 所在地
- 東京都千代田区
- 代表社員
- 一般社団法人PDAA(職務執行者:惠良司氏)
- 実質的支配者と報じられる人物
- 高橋英樹氏(1979年生・茨城県出身と報道)
- 主な事業
- モンゴルでのインフラ・不動産投資支援等(公式サイト)
GBFの登記上の代表社員は一般社団法人PDAAで、職務執行者は惠良司氏です。
ただ、事業の実質的な意思決定者として報道に繰り返し名前が出るのは 高橋英樹氏(ミュゼ・メディア・HD代表取締役)です。
※念のため。
俳優の高橋英樹さん(1944年生)とは同姓同名なだけの、まったくの別人です。
この高橋氏について、日本経済新聞の2010年4月29日付記事には、未公開株をめぐる詐欺事件で 詐欺容疑で逮捕・起訴され、一審有罪判決を受けた(当時控訴中)「高橋英樹被告(30)」 への言及があります。
アクセスジャーナル等の複数媒体が、この人物とGBFの高橋氏を同一人物として報じています。
ここは正確に書きます。
日経記事単体では、GBFの高橋氏と同一人物だと100%は断定できません。
また判決が最終的に確定したかも公的記録では確認できていません。
ただし複数の報道が同一人物として扱っており、本人側がこれを公に否定した記録も確認できませんでした。
過去の事件がその後の事業すべてを否定するわけではありません。
それでも、お金を預ける先の経営者の経歴として、出資前に知っておくべき情報 であることは確かです。
過去の報道がある人物名は、同姓同名も含めて丁寧に確認します。
僕なら、話題性より契約の相手と責任の所在を見ます。
実質的支配者と報じられる人物の過去まで、確認できる事実を並べてきました。
「もう振り込んでしまった」「返ってくるのか不安だ」という方も、いるかもしれません。
ひとりで抱え込まず、まずLINEで状況を聞かせてください。

投資詐欺検証ラボLINE相談窓口
解約・退会・返金はできる?
グローバルブリッジファンドの私募債について、記事内で確認できる範囲では、特商法表記に返金・解約条件の記載は確認できませんでした。
私募債は発行会社への貸付に近い性質があり、発行体が返済できなくなれば元本が戻らない可能性があります。
お金を払う前に、総額・返金条件・解約/退会の期限・自動更新の有無を確認してください。
すでに出資済みで不安がある場合は、消費生活センターや金融サービス利用者相談室、弁護士へ早めに相談 してください。
注意
返金ではなく回収リスクとして見る
記事内に根拠のある返金日数・返金率・解約金額はありません。
私募債やファンド名目の商品は、一般的なサブスクの退会とは違い、途中でやめれば簡単に返金されるものではない 前提で見る必要があります。
出口=やめ方を先に確認しておくと、後で困りません。
私募債は、利回りより回収できるかを先に見ます。
私募債・「広告ファンド」の勧誘を受けたときのチェックリスト
- 「元本保証」「年率18%」など、預金金利とかけ離れた断定的な好条件を 言われていないか(言われた時点で危険信号)
- 販売している業者が金融商品取引業の登録を持っているか(金融庁の登録業者一覧と無登録警告リストで確認)
- 「ファンド」という名前でも、実態が社債(発行会社への貸付)でないか 書面で確認したか
- 発行会社の財務情報・資金使途の説明を受けたか。受けられない場合は出資しない
- 経営者・関係者の名前で 過去の行政処分・報道を検索したか
- 紹介者やセミナーの熱量ではなく、書面と公的資料だけで判断したか
私募債は、仕組みが分かりにくいほど危険です。
僕なら、登録業者を確認できない勧誘には乗りません。
まとめ|立派な理念と、お金の流れは別物
- GBF発行の私募債「ミュゼマーケティングファンドシリーズ」が無登録業者経由で販売されていたことは、関東財務局の公表(2026年5月15日)で確認できる確定情報
- 「年率18%・元本保証で30億円超を集め、利払い停止・返金なし」は 報道ベース だが、事実なら 出資法・金商法上の重大な問題 をはらむ
- ミュゼ運営会社MPHは2025年8月に破産(負債約260億円・申告ベース、債権者約123万人)。その約5か月前に 商標権・営業権はGBF側へ移転済み
- 実質的支配者と報じられる人物には、2010年の未公開株詐欺事件での逮捕・一審有罪の報道 がある(俳優とは別人)
- 勧誘を受けている・出資済みの方は、消費生活センター(188)・金融サービス利用者相談室・弁護士へ早めに相談を
最後に、もう一度だけ。
「社会課題の解決」「モンゴルでのインフラ支援」——理念やストーリーの立派さは、出資金が約束どおり返ってくることを何も保証しません。
判断材料にすべきは、当局の警告の有無・販売業者の登録の有無・発行体の財務・経営者の経歴 という、確認可能な事実だけ です。
この案件では、そのうちの1つ(無登録販売への当局警告)がすでに公的記録になっています。
「理念に出資する」のではなく「事実を確認してから判断する」。
それがこの事例から持ち帰るべき教訓だと考えます。
詐欺と断定しなくても、避ける理由は十分あります。
当局警告がある案件に、僕は大事なお金を入れません。
確認ポイント
「この私募債・ファンド、出資して大丈夫?」と迷ったら
勧誘資料、契約書のドラフト、案内された利回りの数字——どんな材料でも大丈夫です。
編集部の目で、発行体の登記・販売業者の登録の有無・当局警告の有無・利回りの現実性 を公的資料に当たって 整理します。
お金を振り込む前に、一度確認させてください。
相談料は無料です。