結論を先に置きます 2018年に募集された仮想通貨ICO キャッスル(Castle) の話です。
結論から書きます。
キャッスルへの参加・追加の入金はおすすめできません。
理由は3つあります。
① 公式LINEでは「上場・10倍高騰確定」「世界最速プレセール」とうたわれていましたが、
友だち登録者数は2,189人程度 にとどまっており、
「3時間完売」という主張と実際の規模には ギャップがあります 。
② 特定商取引法に基づく表示に記載された販売業者は「BOPSCONSULTING PTE.LTD.」(シンガポール所在)で、
個人が実在を直接確認できる公的な手がかりは限られています 。
③ プレセール終了後に情報配信を引き継いだ「せきねもん」こと 関根義光 氏は、
キャッスルとは別の暗号資産交換業「bitcastle」の代表者として、 2024年11月に金融庁の無登録業者リストに掲載されています 。
ここから、 公式LINEの中身・運営の実体・関係人物の記録の順 に、1つずつ確認していきます。
「上場・10倍高騰確定」。
根拠が示されないまま断定される数字を、私は鵜呑みにしません。
確認ポイント
本記事のスタンス
断定はしません 。
公式LINEの記録と公的資料だけを、並べて整理します。
判断はあなたがしてください 。
まずは3つに分けて見る キャッスルについて、
3つの切り口に分けて整理します 。
公式LINE・LPの中身、運営会社の実体、 関係人物の記録 。
この3つを混ぜずに見ると、 判断材料が見えやすくなります 。
表は左右にスクロールできます
切り口 内容 冷静に見たときの注意点 ①公式LINE・LPの中身 「上場・10倍高騰確定」「世界最速プレセール」をうたい、終了後も追加募集を実施 友だち登録者数(2,189人)と『完売』の主張には差があります ②運営会社の実体 特商法表示の販売業者は「BOPSCONSULTING PTE.LTD.」(シンガポール) 住所・代表者名の記載はありますが、個人が直接確認できる手がかりは限られます ③関係人物の記録 プレセール後、情報配信は「せきねもん」こと関根義光氏に引き継がれた 同氏は別の交換業『bitcastle』の代表者として金融庁の無登録業者リストに掲載されています
3つを混ぜて見ると、
「なんとなく怪しいICO」で終わってしまいます。
私は、分けて見るようにしています。
①公式LINE・LPの中身を確認する キャッスル(Castle)は2018年7月、
「世界最速プレセール」 と銘打って募集されたICOです。
参加者向けの公式LINEには、次のような案内が届いていました。
“ 引用
<上場・10倍高騰確定>
<仮想通貨取引所発>
<世界最速プレセール>への
参加受付を無事“承認”とさせて頂きました。
出典 キャッスル(Castle)運営事務局から参加者に届いたLINEメッセージより(money-police.com掲載のスクリーンショットで確認)「上場・10倍高騰確定」という表現には、それを裏付ける一次資料は確認できません 。
一般論として、ICOのトークンについて金融庁は次のように注意を促しています。
“ 引用
トークンは、価格が急落したり、突然無価値になってしまう可能性があります。(中略)トークンを購入するに当たっては、このようなリスクがあることや、プロジェクトの内容などをしっかり理解した上で、自己責任で取引を行う必要があります。
出典 金融庁「ICO(Initial Coin Offering)について~利用者及び事業者に対する注意喚起~」(平成29年10月27日)画像:キャッスル(Castle)運営事務局から参加者に届いたLINEメッセージより。 この注意喚起は、キャッスルを名指ししたものではありません。
ただし 「価格は変動し、無価値になる可能性がある」という一般論 は、「10倍高騰確定」という表現とは 相容れません 。
さらに、参加受付用の公式LINEアカウントを確認すると、
友だち登録者数は2,189人程度 にとどまっていました。
画像:キャッスル(Castle)カスタマーサポート公式LINEアカウントより。 「世界最速プレセールが3時間で完売した」という主張に対し、
実際に案内を受け取れる登録者は2,189人規模 というのは、規模の面で 整合しない可能性があります 。
これは当編集部の推測であり、断定はしません。
「3時間完売」は、聞こえのいい実績です。
でも、登録者の規模を見ると、素直には受け取れません。
プレセール終了がアナウンスされた後、
「今ならまだご案内できます」という追加募集のLINE が改めて届いています。
画像:キャッスル(Castle)VIP LINEに届いた追加募集メッセージより。 「完売した」とアナウンスした直後に 枠を追加する という展開は、
限定感を演出したうえで再募集をかける、 よくある勧誘の型 と 重なります 。
ここまでが、公式LINE・LPの中身です。次に運営会社の実体を確認します。
「これ、自分が受け取ったLINEと同じ文面かも」と思ったら、
一人で判断せず、案内文をそのまま見せてください 。
担当者の名前が変わっていても、確認すべき点は変わりません 。
投資詐欺検証ラボ LINE相談窓口
②運営会社・代表者の実体を確認する キャッスルの 特定商取引法に基づく表示 を確認すると、
次のように記載されていました。
特商法表示に記載されていた情報
販売業者 BOPSCONSULTING PTE.LTD.
住所 51B CIRCULAR ROAD Singapore 049406
代表者 NG CHENG WEI 画像:キャッスル(Castle)公式サイトの特定商取引法に基づく表示より。 特定商取引法は、通信販売事業者に対し、
販売業者の氏名・住所・代表者名などの表示を義務づけています ( e-Gov法令検索 特定商取引に関する法律 第十一条 )。
ICOのトークンセールがこの規定に当てはまるかどうかは個別の法的評価が必要で、 当編集部が法的に断定するものではありません 。
確認ポイント
法人の実在を確認する方法
シンガポール法人の実在は、
ACRA(会計企業規制庁)が運営する公式ポータル「Bizfile」(www.bizfile.gov.sg) で、
法人番号(UEN)をもとに確認できます。
当編集部では、 この社名単独での実在確認 までは 至っていません 。
個人情報の取り扱いについても、
「お客様から要請があれば第三者への提供を停止する」 という記載はありましたが、
登録拠点であるシンガポール法人とのやり取りが実務上どこまで機能するかは、 確認できていません 。
住所と代表者名は書かれています。
でも、遠い国の法人1つを頼りに、大切なお金を託せるかというと、
僕は慎重になります。
③せきねもん(関根義光)の別プロジェクトでの記録 キャッスルのプレセールが終了した後、
情報配信は「せきねもん」こと 関根義光 氏に引き継がれています。
同氏については、 別の暗号資産交換業「bitcastle」の代表者として、金融庁の無登録業者リストに掲載されている記録 があります。
“ 引用
bitcastle LLC 代表者 関根 義光
所在地:Euro House, Richmond Hill Road, Kingstown, St. Vincent and the Grenadines
暗号資産交換業の内容等:インターネットを通じて、日本居住者を相手方として、暗号資産交換業を行っていたもの
備考:インターネット上で暗号資産取引を行っている「bitcastle」等を運営している。
掲載時期:令和6年11月
出典 金融庁「無登録で暗号資産交換業を行う者の名称等について」(海外所在業者リスト)これは、今回検証している キャッスル(Castle)ICO そのものへの警告ではありません。
ですが 「bitcastle」という別の暗号資産交換業の代表者として、同一人物の実名が金融庁のリストに載っている 事実は、
キャッスルの信用性を考えるうえで 無視できない材料です 。
注意
掲載の意味
この掲載は、キャッスルを名指ししたものではありません。
ただし金融庁は、暗号資産交換業について次のように説明しています。
“ 引用
暗号資産交換業者は金融庁・財務局への登録が必要です。利用する際は登録を受けた事業者か金融庁・財務局のホームページで確認してください。
出典 金融庁・消費者庁・警察庁「暗号資産に関するトラブルにご注意ください!」暗号資産交換業を行うには登録が必要 という原則に照らすと、
無登録での運営が確認された人物が、その前に別のICOの窓口を担っていたという流れは、 慎重に見るべき事実 です。
参考にした検証記事では、
関根義光氏が過去に「ワールドピースコイン(WPC)」というICOの紹介に関わっていたという指摘や、
「CryptoPie」という交換所を無登録で運営していたという指摘もありました。
これらは他媒体による 二次情報 で、当編集部が金融庁・警察庁等の公的資料で直接裏付けられたのは、 「bitcastle」の代表者としての掲載 の部分のみです。
西田尚樹氏は、プレセール開始時の告知動画などで キャッスルの顔として登場していた人物 です。
同氏個人の経歴や、動画内で語られた実績の数字について、 当編集部が独自に裏付けられる一次資料は確認できていません 。
実名が金融庁のリストに載っている。
これは「怪しい」ではなく、確認できる事実です。
私は、ここを一番重く見ます。
「似た案件に登録してしまった」「追加のLINEが来ている」という場合も、
1人で抱え込まず、まずは状況を整理させてください 。
投資詐欺検証ラボ LINE相談窓口
独自整理:時系列と数字のギャップ ここまでの内容を、
時系列 で並べ直します。
時期 出来事 2018年7月 キャッスル(Castle)のプレセールが開始(西田尚樹氏らが告知) 2018年7月 プレセール「完売」がアナウンスされた後、追加募集のLINEが配信される 2018年7月以降 情報配信の担当が「せきねもん」こと関根義光氏に引き継がれる(当編集部の確認時点) 2024年11月 金融庁が、関根義光氏を別の暗号資産交換業「bitcastle」の代表者として無登録業者リストに掲載
2018年のICO案件 と 2024年の金融庁掲載 には、6年以上の時間差があります。
この間の詳しい経緯を当編集部がすべて追えているわけではありませんが、
同一人物の名前が、複数の暗号資産プロジェクトに繰り返し登場する という構図は、 時系列で並べると見えやすくなります 。
次に、
うたわれていた文言と、確認できた実数 を並べます。
うたわれていた文言 確認できた実数・事実 「世界最速プレセール」「3時間完売」 公式LINEアカウントの友だち登録者数は2,189人程度 「上場・10倍高騰確定」 この表現を裏付ける一次資料は確認できません 「プレセール終了」 終了後も追加募集のLINEが届いている
最後に、
LINEやSNSでICO・暗号資産の勧誘が来たときの確認手順 を整理します。
特商法表示に 販売業者・所在地・代表者名 の記載があるか確認する その事業者名で 金融庁の無登録業者リスト に該当がないか確認する 「完売」「上場確定」といった 実績の数字 と、公式アカウントの 登録者数・フォロワー数 を突き合わせる 勧誘者・担当者の実名でも、 金融庁の無登録業者リスト を検索してみる 文言と実数のズレ、担当者の入れ替わり。
1つずつは小さく見えても、重ねて並べると見え方が変わります。
申し込む前のチェックリスト ここまでの内容を、
チェックリストの形 にまとめます。
1つでも当てはまるなら 、
入金する前に、
もう一度立ち止まってください 。
「上場確定」「10倍高騰確定」など 根拠が示されない断定表現 がある 「完売」の直後に 追加募集 がかかる 特商法表示の所在地が 海外法人 で、実在を自分で確認する手段が限られている 勧誘・情報配信の担当者が、 気づかないうちに入れ替わっている 担当者の実名を検索しても、 金融庁の無登録業者リスト に該当がないか確認していない 友だち登録者数など 公開されている規模 と、宣伝文句の 実績が食い違っている まとめ ICOブームは過ぎても、
「上場確定」「10倍」とうたう勧誘の型は、今も形を変えて続いています。
覚えておいてほしいのは、この型そのものです。
仮想通貨ICO キャッスル(Castle) を、
公式LINE・LPの中身、運営会社の実体、関係人物の記録 の3つで確認してきました。
最後に、 3つの切り口を、もう一度並べます 。
表は左右にスクロールできます
切り口 内容 冷静に見たときの注意点 ①公式LINE・LPの中身 「上場・10倍高騰確定」「世界最速プレセール」をうたい、終了後も追加募集を実施 友だち登録者数(2,189人)と『完売』の主張には差があります ②運営会社の実体 特商法表示の販売業者は「BOPSCONSULTING PTE.LTD.」(シンガポール) 住所・代表者名の記載はありますが、個人が直接確認できる手がかりは限られます ③関係人物の記録 プレセール後、情報配信は「せきねもん」こと関根義光氏に引き継がれた 同氏は別の交換業『bitcastle』の代表者として金融庁の無登録業者リストに掲載されています
公式LINEでは 「上場・10倍高騰確定」 とうたわれていましたが、裏付けとなる一次資料は 確認できません 「3時間完売」の主張に対し、 公式LINEの友だち登録者数は2,189人程度 にとどまっていました 特商法表示の販売業者は シンガポール法人「BOPSCONSULTING PTE.LTD.」 で、実在確認の手段は限られます プレセール後に情報配信を引き継いだ「せきねもん」こと 関根義光氏 は、別の暗号資産交換業「bitcastle」の代表者として 金融庁の無登録業者リスト に掲載されています 不安なときは、消費者ホットライン188や警察相談専用電話#9110へ、1人で抱えずに相談してください 確認ポイント
編集長タダシより
「この案件、大丈夫かな」と思ったら、 案件名・URL・LINEのスクリーンショットを送ってください 。
金融庁の登録状況、無登録業者リストと突き合わせて、
確認すべきポイントを一緒に並べます 。
相談は無料です。
西田尚樹氏・関根義光氏個人を「詐欺師」と断定する記事ではありません。
ただ、担当者が入れ替わり、その一人が金融庁から警告済みだった。
この事実の上に、大切なお金を乗せるのは、私ならおすすめしません。